英語を勉強していると、ときどき「ん?」となる単語があります。
たとえば、
- octopus = タコ
- octagon = 八角形
- October = 10月
この3つ、実は同じ octo- という言葉と関係しています。
**octo は「8」**という意味です。
octopusは8本足。
octagonは八角形。
ここまではきれいに「8」でそろっています。
ところが、
Octoberは10月。
あれ?
なんで急に10になるん?
実はこれ、英語がおかしいわけではありません。理由は古代ローマの暦にあります。
昔は3月が「1月」だった
現在の私たちは、当然のように
1月 → 2月 → 3月 → 4月……
と1年を数えます。
ところが古代ローマの初期の暦では、Marchにあたる月から1年が始まっていました。
Marchを1番目として数えてみましょう。
| 順番 | 月 |
|---|---|
| 1 | March |
| 2 | April |
| 3 | May |
| 4 | June |
| 5 | Quintilis |
| 6 | Sextilis |
| 7 | September |
| 8 | October |
| 9 | November |
| 10 | December |
ほら、Octoberがちゃんと8番目に来ました。
つまりOctoberはもともと、
「8番目の月」
という、ごく素直な名前だったんです。
SeptemberからDecemberまで全部ずれている
そう考えると、Octoberだけではありません。
Septemberの septem は「7」。
Novemberの novem は「9」。
Decemberの decem は「10」。
つまり、
September → 7番目
October → 8番目
November → 9番目
December → 10番目
だったわけです。
ところが現在は、
September → 9月
October → 10月
November → 11月
December → 12月
です。
見事に全部、2か月ずれています。
「Octoberだけ変やな」と思ったら、実はSeptemberもNovemberもDecemberも仲間だったんですね。
では、なぜ2か月ずれたの?
その後、ローマの暦が整備されていく過程で、JanuaryとFebruaryが年の初め側に置かれるようになりました。
すると、それまで8番目だったOctoberは10番目になります。
イメージとしては、
October「私は8番目の月です」
January・February「すんません、前に入ります」
October「えっ?」
January・February「今日からあなた10番目です」
October「名前どうするん?」
「……そのままで」
みたいな感じです。
こうして、「8」を意味する名前なのに10月という不思議な状態が現在まで残りました。
JulyとAugustは名前まで変わった
ちなみに5番目と6番目だった月には、
Quintilis
Sextilis
という名前がついていました。
こちらはかなり分かりやすく、ラテン語で「5」「6」に由来します。
ところが後にQuintilisは**Julius Caesar(ユリウス・カエサル)にちなんで July に、SextilisはAugustus(アウグストゥス)**にちなんで August に改名されました。
こちらは数字の名前そのものが消えてしまったわけです。
一方、SeptemberからDecemberまでは昔の数字を残したまま。
その結果、現在の英語の月名には、
7という名前の9月、8という名前の10月、9という名前の11月、10という名前の12月
が残っています。
英単語の中に2000年以上前の歴史が残っている
こうして見ると、英単語って面白いですね。
octopus → 8本足
octagon → 八角形
October → 昔は8番目の月
全部ちゃんと「8」でつながっています。
Octoberだけがおかしいのではなく、暦のほうが後から変わったというわけです。
普段何気なく使っているSeptember、October、November、December。
その名前の中には、今でも古代ローマの暦がひっそり残っています。
単語の意味を丸暗記するだけでは気づかない、こういう「昔の痕跡」を見つけると、英語もちょっと面白くなってきますね。
