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ダース・ベイダーはパワハラ上司なのか?『帝国の逆襲』を見て考えた組織論

久しぶりに『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』を見ました。

スター・ウォーズは何度も見ている映画なのですが、久しぶりに見ると、昔とは違うところが気になります。

今回、妙に気になったのがダース・ベイダーです。

若いころは、

「やっぱりダース・ベイダー、怖いなあ」

くらいにしか思っていませんでした。

ところが長年会社員を経験してから見ると、印象が違います。

「いや、この人、上司として見たら相当ヤバいやろ」

部下が失敗すると……首を絞める

『帝国の逆襲』のダース・ベイダーは、部下の失敗にものすごく厳しい。

というより、「厳しい」という言葉では足りません。

オゼル提督が判断を誤ると、ベイダーはフォースを使って処刑してしまいます。

そして、すぐ横にいるピエットに、

「お前が提督だ」

という具合に後任を任せます。

会社に置き換えると、

「部長、今回のプロジェクト失敗したな」

「申し訳ありません」

「クビ」

「えっ」

「田中君、今日から君が部長」

みたいな話です。

いやいや。

田中君、怖くて部長なんかやりたくないでしょう。

「失敗したら怒られる」組織で何が起きるのか

もちろん現実の会社で、上司が部下の首をフォースで絞めることはありません。

たぶん。

しかし程度の差こそあれ、

「失敗したら徹底的に責められる」

「上司に反対意見を言えない」

「悪い情報を報告すると怒られる」

という職場はあります。

こういう組織で怖いのは、社員が失敗しなくなることではありません。

失敗を報告しなくなることです。

さらに、

「こうした方がいいと思います」

という提案もしなくなります。

正しいことをするより、

「上司を怒らせないこと」

が仕事の目的になってしまうからです。

帝国軍には「心理的安全性」がない

最近の組織論では「心理的安全性」という言葉がよく使われます。

簡単に言えば、

「こんなことを言ったら怒られるかな」

「間違ったことを言ったら恥をかくかな」

と過度に心配せず、意見や疑問を口にできる状態です。

この観点から見ると、帝国軍はかなりすごい組織です。

心理的安全性が低いどころではありません。

下手なことを言ったら、本当に息ができなくなります。

会議で、

「ベイダー卿、その作戦には問題があると思います」

なんて、なかなか言えません。

でも、ベイダーは単なる無能上司ではない

ここが面白いところです。

ダース・ベイダーは、単純な「ダメ上司」とも言い切れません。

目的は明確です。

決断も速い。

自分自身も最前線に出ます。

部下に仕事を任せることもあります。

そして、有能な人間はちゃんと見ています。

だからこそ余計に興味深い。

仕事はできる。でも、部下が安心して仕事のできる環境を作れない。

現実の会社でも、こういう上司は案外いるのではないでしょうか。

恐怖で動く組織は短期的には強い

ベイダー型マネジメントにも、一つ大きな特徴があります。

指示が出たら、みんな必死に動きます。

そりゃそうです。

失敗したら首が飛ぶ。

比喩ではなく、本当に首が締まる。

だから短期的には非常に効率がよく見えるかもしれません。

「つべこべ言わずにやれ!」

で組織全体を一方向に動かせます。

ところが長期的には問題が出てきます。

誰も挑戦しない。

誰も異論を言わない。

悪い情報ほど上に届かない。

そして何より、

「どうすれば組織が良くなるか」ではなく、「どうすれば上司に怒られないか」を考えるようになる。

これは組織にとってかなり危険です。

会社員を経験してから見るスター・ウォーズ

若いころにスター・ウォーズを見ていたときは、

帝国軍=悪

反乱軍=善

くらいの感覚で楽しんでいました。

でも会社員生活を経験してから改めて見ると、

「帝国軍って、組織としてどうなんやろ?」

という別の楽しみ方ができることに気づきます。

そしてダース・ベイダーを見ながら思いました。

もし帝国軍に「上司に関する360度評価」があったら、部下はいったい何を書くのでしょう。

「決断力があります」

「強いリーダーシップがあります」

「目標達成への強い意志があります」

……このあたりまでは書けそうです。

そして最後の自由記述欄。

「もう少し部下の話を聞いていただけるとありがたいです」

もちろん匿名で。

いや、フォースが使える相手には、匿名でもバレそうやな。

やっぱり書くのやめとこ。