はじめに
こんにちは、英語学習者のみなさん!英検準2級対策シリーズの第9回目へようこそ。前回は「状況別メール文対策②:日常生活・旅行」について学びました。今回は「メール文の共通間違いと添削のコツ」というテーマで、よくある間違いと自己添削のテクニックについて詳しく解説します。
英作文を書く際には、様々な間違いが起こりがちです。特に試験の緊張状態の中では、普段気をつけていることでも見落としてしまうことがあります。自分の書いた文章を見直し、修正できる能力は、英検準2級に合格するためだけでなく、実際の英語コミュニケーションでも非常に重要なスキルです。
この記事では、メール文でよく見られる間違いとその修正法、そして効果的な自己添削のコツについて学んでいきましょう。
メール文でよくある間違いとその修正法
1. 文法的な間違い
文法的な間違いは、メッセージの伝わり方に大きく影響します。特に気をつけたい文法的な間違いを見ていきましょう。
時制の不一致
間違い例:
Yesterday, I go to the library and borrow some books.
修正例:
Yesterday, I went to the library and borrowed some books.
解説:過去の出来事を述べる場合は、過去形を使います。「昨日」は明らかに過去のことなので、動詞は過去形(went, borrowed)にする必要があります。
主語と動詞の不一致
間違い例:
My brother like playing soccer.
修正例:
My brother likes playing soccer.
解説:三人称単数(he, she, it, 名前, など)の場合、現在形の動詞には「s/es」をつけます。
冠詞の誤りや欠落
間違い例:
I bought new computer last week.
修正例:
I bought a new computer last week.
解説:特定されていない単数の名詞の前には、通常、不定冠詞(a/an)が必要です。
前置詞の誤用
間違い例:
I’m looking forward to see you.
修正例:
I’m looking forward to seeing you.
解説:「look forward to」の後には動名詞(-ing形)が来ます。
2. 語彙・表現の誤り
適切な単語や表現を選ぶことも重要です。よくある語彙・表現の誤りを見てみましょう。
似た意味の単語の混同
間違い例:
I will say you about my trip.
修正例:
I will tell you about my trip.
解説:「言う」という意味でも、情報を伝える場合は「say」ではなく「tell」を使います。
カタカナ英語の直訳
間違い例:
Let’s enjoy shopping!
修正例:
Let’s have fun shopping!
解説:日本語では「ショッピングを楽しむ」とよく言いますが、英語では「enjoy」よりも「have fun」のほうが自然な表現になることが多いです。(ただし、”enjoy shopping”も間違いではありません)
句動詞(phrasal verbs)の誤用
間違い例:
I’m looking forward to get your reply.
修正例:
I’m looking forward to getting your reply.
解説:「look forward to」は前置詞「to」の後に動名詞が来る表現です。
3. 構成・内容の問題
メールの構成や内容に関する問題も見逃せません。
質問を忘れる
間違い例:
Your trip to Kyoto sounds amazing! I want to go there someday too.
修正例:
Your trip to Kyoto sounds amazing! Which temple did you like the most? Did you try any special local food? I want to go there someday too.
解説:英検準2級のメール文では、相手のメール内容(特に下線部)に関する質問を2つ含める必要があります。
相手の質問に答えていない
間違い例:
Thanks for your email. I had a great weekend.
修正例:
Thanks for your email. Yes, I do like playing tennis. I usually play with my friends on weekends.
解説:相手からの質問(例:Do you like playing tennis?)には、必ず答える必要があります。
語数制限をオーバーしている
間違い例:(70語の文章)
修正例:(40-50語に収める)
解説:英検準2級のメール文は40-50語程度が目安です。不必要な情報や冗長な表現を削除して簡潔にすることが重要です。
4. スタイルや丁寧さの問題
メールのスタイルや丁寧さのレベルも重要です。
友人へのメールなのに堅すぎる
間違い例:
I am writing this email to express my gratitude for your kind invitation.
修正例:
Thanks for inviting me! I’d love to come.
解説:友人間のカジュアルなメールでは、堅苦しい表現よりも、親しみやすい表現を使いましょう。
カジュアルすぎる表現
間違い例:
Hey! Wassup? Thx for ur mail!
修正例:
Hi Alex! Thanks for your email.
解説:友人間のメールでもテキストメッセージのような略語や俗語は避け、標準的な英語を使いましょう。
自己添削のテクニック
自分の書いた英文を効果的にチェックするためのテクニックを紹介します。
1. 時間を置いてから読み直す
書いた直後よりも、少し時間を置いてから読み直すと、客観的に見ることができます。実際の試験では時間が限られていますが、練習の際には時間を置いてから見直す習慣をつけましょう。
2. 声に出して読む
声に出して読むことで、文の流れや不自然な表現に気づきやすくなります。読みにくい部分があれば、そこに問題がある可能性があります。
3. チェックリストを使う
以下のようなチェックリストを作成して、順番に確認していくと見落としが少なくなります。
- [ ] 時制は一貫しているか
- [ ] 主語と動詞の一致は正しいか
- [ ] 冠詞(a, an, the)は適切か
- [ ] 前置詞は正しく使えているか
- [ ] スペルミスはないか
- [ ] 質問を2つ含めているか
- [ ] 相手の質問に答えているか
- [ ] 語数は40-50語程度に収まっているか
- [ ] 友人へのメールとして適切な文体か
4. 段落ごとに確認する
メール全体を一度に見るのではなく、段落や文ごとに区切って確認すると、より細かくチェックできます。
5. 逆から読む
文章を最後の文から順に読んでいくと、内容の流れに引っ張られず、文法やスペルの間違いに集中しやすくなります。
よくある間違いを避けるための練習方法
間違いを防ぐための効果的な練習方法を紹介します。
1. 模範解答と比較する
自分の書いた英文と模範解答を比較し、違いを分析しましょう。なぜその表現が使われているのか、自分の表現とどう違うのかを考えることで学びが深まります。
2. 間違い探しをする
意図的に間違いを含んだ文章を用意し、それを修正する練習をしましょう。以下に例を示します。
間違いのある文:
Last weekend, I goes to the movie theater with my friends. We watches an action movie and it’s very exciting. After the movie, we eated dinner at a restaurant near the station. I looking forward to go to the movie again.
修正すべき点:
- goes → went(時制と主語の一致)
- watches → watched(時制)
- it’s → it was(時制の一致)
- eated → ate(不規則動詞)
- I looking → I am looking(be動詞の欠落)
- to go → to going(to の後の動名詞)
3. パターン練習
同じパターンの文を繰り返し書く練習をします。例えば、過去の経験を述べる文、未来の計画を述べる文など、特定のパターンに集中して練習することで、そのパターンの間違いを減らせます。
4. 音読と書き取り
英語のメールや手紙を音読し、その後で書き取る練習をします。これにより、自然な表現や文の構造が身につきます。
5. 即時フィードバック
可能であれば、英語の先生や英語が得意な友人に添削してもらい、即時にフィードバックを得ることも効果的です。
前回の練習問題解答例
前回の練習問題「Morganからのファーマーズマーケットについてのメール」への返答例:
Hi, Morgan!
Thank you for your e-mail.
Your farmers’ market routine sounds wonderful! Which farmers do you enjoy talking with the most? What other products besides strawberries have you found delicious there? On weekends, I usually go hiking in the nearby mountains. I love being surrounded by nature and enjoying the peaceful atmosphere away from the city.
Best wishes,
解説:
- 相手のメールの話題(ファーマーズマーケット)に対して興味を示している
- 下線部に関連する2つの質問をしている(どの農家の人と話すのが好き?他にどんな美味しい商品を見つけた?)
- 相手の質問(週末の特別な活動)に答えている
- 自分の週末の活動(ハイキング)について具体的に説明している
- 50語で収まっている
今回の練習問題
以下の英文には複数の間違いが含まれています。間違いを見つけて修正してみましょう。
Hi, Alex!
Thank you for you’re e-mail.
I happy to hear about your new job. It sound very interesting! I never worked in a restaurant before, but I think it must be excited. How many hour do you work per week? What kind of foods does the restaurant serves? I have busy with my studies lately, so I not have much free time.
Best wishes,
(※解答例は次回の記事で紹介します)
添削の際によくある質問と回答
Q1: メール文を書く際に最も重要なチェックポイントは何ですか?
A1: 英検準2級のメール文では、以下の3点が特に重要です。
- 相手のメールに対して適切に応答しているか(特に質問への回答)
- 下線部について質問を2つ含めているか
- 語数制限(40-50語程度)を守っているか
Q2: 文法の間違いを減らすにはどうしたらいいですか?
A2: 基本的な文法ルールを再確認し、特に苦手な分野(時制、冠詞、前置詞など)に集中して練習することが効果的です。また、チェックリストを使って見直す習慣をつけることも大切です。
Q3: 自然な英語表現を身につけるにはどうしたらいいですか?
A3: 英語のメールやメッセージをたくさん読むことで、自然な表現が身につきます。また、フレーズ集やパターン集を活用して、状況別の定型表現を覚えることも役立ちます。
Q4: 練習の際の添削はどのように行えばいいですか?
A4: まずは自分で見直してから、可能であれば英語の先生や英語が得意な人に見てもらうと良いでしょう。オンラインの英文チェックツールも便利ですが、完全に頼りすぎないように注意しましょう。
まとめ
メール文の共通間違いを理解し、効果的な自己添削のテクニックを身につけることは、英検準2級の合格だけでなく、実際の英語コミュニケーションでも大いに役立ちます。
特に文法的な間違い、語彙・表現の誤り、構成・内容の問題、そしてスタイルや丁寧さの問題に注意しながら、チェックリストを使った見直しや定期的な練習を行うことが大切です。
自分の弱点を知り、集中的に練習することで、より正確で自然な英語メールが書けるようになります。本番の試験では時間が限られていますが、日頃の練習で身につけたチェック習慣を活かして、ミスを減らしていきましょう。
次回は最終回となる「本番で使える!時間配分と最終チェックリスト」について詳しく解説します。試験直前の練習法と本番での時間管理術を学びましょう。