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医師の偏在

説得力のある小論文を書くには、出題される分野の関連知識を積み重ねることが必要です。

本日のテーマは「医師の偏在」です。2024年3月12日の日経新聞社説「医師の偏在ならす強力な政策を今こそ」を取り上げます。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD065880W4A300C2000000

記事の要点は以下の通りです:

– 現在の医学部定員を維持すると将来的に医師過剰になる

– 24年度の医学部定員は約9400人で過去最多水準

– 医師総数は08年の約28万人から34万人に増加、29年には約36万人になり需給が均衡する見込み

– 一方で、外科や救急科、産科などで医師不足が深刻、地域による医師不足も顕著

– 医師の長時間労働を抑えるための対応が必要

– 外科や救急科を避け都市を希望する医師が多く、医師の配置が偏っている。

– 医師の偏在を是正する実効性のある施策が必要

– 医師不足地域に誘導するシーリング制度を導入してきたが、偏在是正の決め手になっていない

– 医師の報酬は公的な資金で支えられており、公益の観点から対策を検討すべき

数年前に発行された市販の看護系小論文の参考書には、諸外国に比べ日本の医師数の絶対数が少ないことが述べられていますが、ここ数年で大きく状況は変わりつつあります。医師不足に関連する問題が出題された場合は、「医師が不足しているから、ともかく医学部の定員を増やすべきだ!」等の短絡的な論述は避け、「医師不足の原因は特定の診療科、地方への偏在であり、政府が公益の観点から対策を検討すべきた。」等の論述に展開する必要があります。

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男女格差

説得力のある小論文を書くには、出題される分野の関連知識を積み重ねることが必要です。

本日のテーマは「男女格差」です。2024年2月26日の日経新聞「30年後の行動を変えた男女共修の教育 山口慎太郎氏」を取り上げます。(残念ながら会員限定記事です。)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD133MK0T10C24A2000000

記事の要点は以下の通りです:

1. 大人の行動変容は難しい:

– 大人は自らの持つ価値観や行動パターンが強固であり、新しい価値観や行動を受け入れることが難しい。

– ダイバーシティ研修などの取り組みは、大人の行動変容には効果が限定的であることが実証研究から明らかになっている。

2. 子どもへの教育の影響力は大きい:

– 明治大学の研究によれば、教育の内容が変化することで、子どもの行動に大きな影響を与えることが示されている。

– 男女共修化により、男女間の行動に大きな違いが見られるようになった。

3. 教育は社会変革をもたらすために重要:

– 教育は社会の変革をもたらす力を持っており、ジェンダーバイアスの排除や多様性の尊重を教えることが重要である。

– 教育はすぐに効果が現れるわけではないが、ゆっくりとしかし確実に社会を変えていく。

4. 教育現場に残るジェンダーバイアス:

– 教育現場にはまだジェンダーバイアスが残っており、女性が算数が苦手であるなどの思い込みが存在する。

– 教員や親が積極的にジェンダー平等や多様性の尊重を教えることが必要である。

私が中学生の頃、男子は「技術」、女子は「家庭科」を学ぶことが一般的でした。しかし、最近では「リケジョ」や「弁当男子」といった言葉が生まれるなど、性別役割にとらわれない若者が増えています。それでも、これらの言葉が生まれること自体、社会に無意識の性別役割分担意識が根付いていることを示しています。日本では、就業者の44.5%が女性である一方で、女性管理職の割合はわずか13.3%にとどまり、他の国々と比較しても低い水準です。このような数字からも、女性が組織内でのリーダーシップポジションに就くことが依然として難しい状況が窺えます。

https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r03/zentai/html/honpen/b1_s02_02.html

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生物多様性

説得力のある小論文を書くには、出題される分野の関連知識を積み重ねることが必要です。

本日は各学部で頻出のテーマ「環境問題」に関連して、2023年4月24日の日経新聞社説「生物多様性保全も経営課題に」を取り上げます。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD185BW0Y3A410C2000000

記事の要点は以下の通りです:

– 「ネーチャーポジティブ」は生物多様性の悪化をくい止めて回復させる考え方であり、国内での認知度は低いが世界的な潮流になりつつある。

– 「ネーチャーポジティブ経済連盟」がG7の枠組みとして発足し、政府と経済団体が協力して生物多様性の保全に取り組む。

– 経済活動には自然の恵みが欠かせず、多くの産業が動植物や水資源を利用している。

– 人間活動の影響で多くの生物が絶滅しており、生態系が崩れると回復が難しい。

– 企業は自社の活動が生態系にどれだけ依存しているか把握し、生物多様性に関するリスク情報を開示すべきである。

– 多くの金融機関や投資家が生物多様性の取り組みに注目しており、企業は経営リスクの低減につながると認識すべき。

– 日本でも積水ハウスなどの先進事例があり、企業が保有する森林や緑地の保全や生物多様性の回復を目指す取り組みが必要であり、政府はその促進を政策的に支援すべきである。

環境関連の小論文の課題では、3R(Reduce, Reuse, Recycle)に関して記述することが定番ですが、企業による積極的な環境保全の取り組みについても知識をストックし、小論文に深みを持たせましょう。

3R(https://www.env.go.jp/recycle/3r/campaign/campain.html)

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AI

説得力のある小論文を書くには、出題される分野の関連知識を積み重ねることが必要です。本日のテーマは、各学部で頻出のテーマ「AI」です。

みなさんはAIに対してどんなイメージがありますか?

– 要望を入れるだけでレポートを書いてくれる。

– AIが人間の知能を超えて、近い将来人類対AIの戦争になる。

– ん、AI?アクアとルビーの母親、B小町のリーダー?等々

AIの現状とメリット・課題を正しく理解し、AIに対する自分なりの考えをまとめておきましょう。

AI関連の記事を2本取り上げます。

まず最初の記事は、2024年1月9日の日経新聞社説「生成AIは特徴を生かし上手に使おう」です。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK0543O0V00C24A1000000

記事の要点は以下の通りです:

– 米国のオープンAIが2022年11月末に公開した対話型生成AI「ChatGPT」が、わずか1年余りで職場や個人生活に急速に浸透している。

– 生成AIは事務作業の効率化などのメリットがあるが、有害情報の拡散や権利侵害などのリスクも存在するため、政府や国際社会のルール整備が重要。

– 日本でも生成AI時代の著作権保護が課題となっている。

– 利用者自身も生成AIの特徴を理解し、適切に利用する必要がある。

– 現状の言語生成AIには得手不得手があり、事実関係の正確性や論理の理解に課題がある。

– 生成AIは未熟な技術であり、あくまで人間の補助として活用すべきである。

次の記事は、2024年2月4日の日経新聞社説「AI時代の競争に入った米巨大IT企業」です。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK024PQ0S4A200C2000000

記事の要点は以下の通りです:

– 2023年10〜12月期の決算で、マイクロソフトは18%増収で過去最高を記録し、AI関連事業の成功が際立った。

– 日本の少子高齢化が進む中、生産性向上が急務であり、AIの効果的な活用により社会問題の解決と新市場の開拓が可能となる。

– 自動運転やロボット技術による物流効率化や省力化などが、日本の国際競争力向上につながる可能性がある。

– AI市場はまだ成長段階であり、アプリやサービスの応用が今後増える見通し。

– 巨大IT企業のクラウドコンピューティング市場支配力が増す中、規制当局の監視が必要とされている。

上記、2本の記事より、AIのメリットとしては、事務作業の効率化や少子高齢化の問題への解決手段が挙げられています。一方、デメリット・課題としては、著作権等の法的な課題、事実関係の正確性や論理の理解に対する課題、巨大IT企業による経済的寡占が挙げられています。

受験する学部の視点で、AIに対する知識をストックしていきましょう。

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介護職員不足

説得力のある小論文を書くには、出題される分野の関連知識を積み重ねることが必要です。高校3年に進級したら、早めに知識を蓄え始めましょう。ここでは毎回新聞記事を取り上げ、小論文に活用できるポイントを抽出していきます。今日の記事は、2024年1月27日の日経新聞社説「報酬改定をテコに介護の強靱化を急げ」です。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK255R30V20C24A1000000

記事の要点は以下の通りです:

1. 2024年度の介護報酬改定が決定。

2. 職員の処遇改善が重視されているが、人材流出の危機的状況は依然として不透明。

3. 厚労省は報酬改定で介護職員の平均月収を24年度に約7500円、25年度に約6000円増加させる見込み。

4.事業者は報酬増額だけでなく、経営改革を行い、賃上げを実現すべき。

5.テクノロジーの活用や経営規模の拡大を推進し、業務効率化を図る必要がある。

6. 介護の経営規模の拡大や連携・統合を促進し、運営コストを低減すべき。

7. 介護報酬の増額は介護保険料の引き上げにつながるため、制度の持続性を高める改革も必要。

8. 負担と給付の見直しを行い、負担能力を考慮した制度改革が求められる。

小論文の課題で、例えば、以下の課題が出題された場合、どう料理しますか?

「少子高齢化に伴い、将来ますます介護職員不足が深刻化する。それに対するあなたの対策案を600字以内で述べよ。」

この課題に対して、「介護職員の処遇を改善すべきだ!」的な論述をだらだら展開しても、薄っぺらい小論文にしかなりません。それに対して、経営改革、テクノロジーの活用、経営規模の拡大、業務効率化等の知識が頭の中の引き出しにストックされていれば、力強い説得力のある小論文が書けます。

入試本番に向け、親御さんにも協力してもらい、ニュースや新聞記事で関連知識をストックしていきましょう。