近年、エネルギー政策に関する議論はますます重要性を増しています。日本では脱炭素化が急務とされる一方、原発依存の是非が大きな論点となっています。本記事では、新聞記事を題材に大学入試小論文のポイントを整理し、考察力を養う方法を解説します。
1. 問題意識を明確にする
新聞記事では、次期エネルギー基本計画における政府の姿勢が批判されています。特に、“原発依存度を可能な限り低減する”という方針の削除や、再生可能エネルギー（再エネ）の優先度低下が議論の中心です。これに対し、脱炭素化を進めるためには再エネの拡大こそが必要だという意見が述べられています。
小論文を書く際には、こうした問題点を把握し、自分なりの立場を明確にすることが重要です。
2. 背景情報の整理
エネルギー政策に関する基礎知識を押さえておきましょう。
- 原子力発電のメリットとデメリット
- メリット：安定供給、CO2排出量が少ない
- デメリット：廃炉問題、放射性廃棄物、事故リスク
- 再生可能エネルギーの可能性
- 太陽光や風力エネルギーは国内資源であり、エネルギー安全保障に寄与する。
- 蓄電池や送電網の整備が鍵。
- 気候危機と脱炭素化の重要性
- パリ協定の目標達成に向け、温室効果ガスの削減が求められる。
背景知識を基に、議論の軸を組み立てると説得力が増します。
3. 小論文の構成例
序論
現代社会において、エネルギー政策は持続可能な社会を構築する上で欠かせないテーマである。特に日本では、原発事故の教訓を踏まえつつ、脱炭素化を進める必要がある。
本論
- 問題提起：政府のエネルギー基本計画では、原発の活用を拡大しようとしているが、これには多くの課題がある。
- 原発事故のリスクや廃炉問題が解決されていない。
- 経済的コストも高い。
- 再エネの可能性：
- 再エネは純国産であり、エネルギー安全保障を強化できる。
- 技術革新によるコスト低減が期待される。
- 未来への責任：持続可能な社会を構築するためには、化石燃料からの脱却と再エネの優先的な導入が必要である。
結論
エネルギー政策は国民の生活と未来を左右する重要なテーマである。日本が目指すべきは、原発依存を最小化し、再エネを基盤とした脱炭素社会の実現である。
4. 練習課題
以下の課題に取り組み、小論文の練習をしてみましょう。
課題：
次のテーマについて800字程度で小論文を書きなさい。
テーマ： 「日本のエネルギー政策が目指すべき未来について、再生可能エネルギーと原子力発電の役割を踏まえ、自分の意見を述べよ。」
ヒント：
- 背景知識を簡潔にまとめる。
- 自分の立場を明確にし、その理由を論理的に展開する。
- 具体例やデータを引用して説得力を高める。
小論文対策では、問題意識を持ち、背景知識を活用しながら論理的に考察する力が求められます。新聞記事やニュースを活用して、時事的なテーマに触れる習慣をつけましょう。
参考文献：2025年1月22日付け朝日新聞社説「エネルギー基本計画 未来への責任果たす針路に」