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【The Eastfield Stories:Episode 14】「Taroの秘密②」

◆ あらすじ

Eastfield International Cityを舞台にした物語、第14話は「Taroの秘密」第2章。

さかのぼること2週間前、日本食が恋しくなりたまたま立ち寄った「Yamato Noodles(ラーメンやまと)」。そこでTaroは運命的な出会いをします。緊張しながらも、少しずつ会話を交わす二人のやり取りに注目です。

💡 今回は「注文時の英語」「緊張しながらの自己紹介」など、日常英会話で使える表現が詰まったエピソードです。

📍舞台:Yamato Noodles

💡 会話を聞いてみましょう!


登場人物

Taro:Eastfield大学のコンピュータサイエンス部1年生。控えめで内向的な性格。

Lilian:シンガポール出身の大学生。ビジネス学部所属。明るくフレンドリーな性格で、「ラーメンやまと」でアルバイト中。

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◆ 会話スクリプト(英語+和訳)

Lilian:“Hi there! Welcome to Yamato Noodles. Eating in?”
(こんにちは!ラーメンやまとへようこそ。店内でお食事ですか?)

Taro:“Uh, yes… I mean, yeah. One seat, please.”
(えっと、はい…その、はい。一人です。)

Lilian:“Sure thing. Here’s the menu. Do you already know what you’d like?”
(もちろんです。こちらがメニューです。もう決まってますか?)

Taro:“I’ll have the… shoyu ramen. Please.”
(えっと…醤油ラーメンをください。)

Lilian:“Great choice! It’s my favorite too.”
(いい選択ですね!私も一番好きなんです。)

Taro:“Oh… really? That’s… nice.”
(あ…ほんとに?それは…いいですね。)

Lilian:“You’re a student at Eastfield, right? I think I’ve seen you around.
(イーストフィールドの学生さんですよね?どこかでお見かけした気がします。)

Taro:“Y-Yeah. I’m in computer science. First year.”
(は、はい。コンピューターサイエンス専攻で、1年生です。)

Lilian:“Cool! I’m in business. Just started working here last month.”
(すごい!私はビジネス学部。ここでは先月から働いてます。)

Taro:“Nice… I mean, that’s great. Uh… I come here sometimes.”
(いいですね…あの、すばらしいです。あの…たまに来ます、ここ。)

Lilian:“Well, I’ll be here most Wednesdays—so feel free to say hi anytime.”
(私は水曜日はほとんどここにいるので、いつでも声かけてくださいね。)


💡 英語学習ポイント

  • 注文時の定番フレーズ:「I’ll have the 〜」
  • ちょっと照れた返答:「Oh… really? That’s… nice.」
  • 大学での専攻を伝える言い方:「I’m in 〜.」「First year.」
  • 会話を広げる自己紹介:「I just started working here last month.」

🌐 Episodeの背景解説

Eastfieldのダウンタウンにあるラーメン店「Yamato Noodles(ラーメンやまと)」は、学生たちの隠れた人気スポット。今回のエピソードでは、普段のTaroとは少し違う一面が描かれています。慣れない環境、ぎこちない会話、そして小さな勇気。英語学習としても、自然なスモールトークや注文時のやり取りが学べる内容になっています。


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【The Eastfield Stories:Episode 13】「Taroの秘密①」

◆ あらすじ

Eastfield International Universityのキャンパスで繰り広げられる青春ドラマ「The Eastfield Stories」。第13話では、DonnyとTaroの関係にちょっとした変化が現れます。いつも一緒にランチに出かける2人ですが、この日はなぜかTaroが歯切れの悪い態度を見せて…? 今回は、ちょっと気になる雰囲気の“断り方”に注目しながら、自然な英語表現を学びましょう。

📍舞台:Eastfield International University

💡 会話を聞いてみましょう!

👥登場人物:

  • Donny:明るくフレンドリーな学生。思ったことはすぐ口に出すタイプ。
  • Taro:物静かで誠実な性格。最近ちょっと様子が変?

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💬 会話スクリプト(英語+和訳)

Donny:Hey, Taro! Burger time? You in?
(やあ太郎!ハンバーガーの時間だよ。行く?)

Taro:Uh… I’m not sure today.
(うーん…今日はちょっと。)

Donny:Come on, it’s our Wednesday tradition!
(おいおい、水曜の恒例行事だろ?)

Taro:Yeah, I know. I just… have something else to do.
(うん、わかってる。でも…ちょっと用事があって。)

Donny:Okay… how about pizza instead?
(そっか…じゃあピザはどう?)

Taro:I’d love to, but maybe not today.
(行きたいんだけど、今日は無理かも。)

Donny:You sure everything’s okay?
(本当に大丈夫?)

Taro:Yeah, totally. Just… some personal stuff.
(うん、大丈夫。ちょっと、個人的なことがあって。)

Donny:Alright, man. If you need to talk, I’m here.
(わかったよ。話したいことがあったら、いつでも言って。)

Taro:Thanks, Donny. I appreciate that.
(ありがとう、ドニー。気にかけてくれて嬉しいよ。)


💡 英語学習ポイント

  • “I’m not sure today.” → 「今日はちょっと…」というやんわりした断り方。直接的に“No”と言わない柔らかい表現です。
  • “Just… some personal stuff.” → 詳しくは言いたくないけれど、それなりの理由があることを伝える便利なフレーズ。
  • “If you need to talk, I’m here.” → 信頼関係がある友達ならではの、さりげない気遣いのひと言。

🌐 Episodeの背景解説

普段から仲の良いDonnyとTaroですが、このEpisodeではTaroの様子にちょっとした違和感が。Donnyはその変化にすぐ気づき、そっと気遣います。こうした日常のやりとりの中にこそ、リアルな英語表現の学びがあります。次回、Taroの“秘密”が明かされるのか? 続きが気になるエピソードです。


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【The Eastfield Stories:Episode 12】「静かな再会」

◆ あらすじ

ロンドンの静かなギャラリー。たまたま立ち寄ったSamが、思いがけない人の姿を目にする――それは、かつてジャケットのトラブルでやりとりをした女性、Anaだった。顔を合わせたのは一度きり。名前も知らない。でも、その記憶はふたりの中で確かに残っていた。久しぶりの再会に、少しぎこちなく、でもどこか嬉しそうに笑い合うふたり。すれ違ったまま終わるはずだった偶然が、新たな「なにか」へと変わり始める予感。

💡 会話を聞いてみましょう!

登場人物


Sam:服屋の店員

Ana:ロンドン在住。現代アートギャラリーのディレクター。Christopherの妻。

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◆ 会話スクリプト(英語+和訳)

Sam:“Huh… Didn’t expect this place to be so calming.”
(へぇ… こんなに落ち着く場所だとは思わなかったな)

Ana:“Oh… Hi. I think… I’ve seen you before?”
(あっ…こんにちは。たしか…どこかでお会いしましたよね?)

Sam:“Yeah… I was just about to say the same. You had a jacket. Broken zipper, right?”
(うん…ちょうど同じことを言おうとしてた。ジャケットを持ってたよね。ファスナーが壊れてたやつ)

Ana:“Wow. I didn’t think you’d remember. But yes, that was me — the difficult customer.”
(わあ、覚えてたなんて思わなかった。でもそう、あれは私――やっかいなお客だったわね)

Sam:“You weren’t difficult. Just… determined. I respected that.”
(いや、やっかいじゃなかったよ。ただ…意思がはっきりしてただけ。僕はそれ、いいと思った)

Ana:“Well, I do believe in fighting for what I paid for. So, what brings you here?”
(まあ、私は自分が払ったものには責任持つタイプなの。それで、どうしてここに?)

Sam:“Lunch break. I work nearby. I wandered in without knowing… you’d be here.”
(ランチ休憩中なんだ。近くで働いてて。たまたま入ってみただけで…君がいるなんて思わなかった)

Ana:“I don’t usually work the floor, but we’re short-staffed today. Lucky timing, I guess?”
(私は普段フロアには出ないんだけど、今日は人手不足で。タイミングが良かったってことかな?)

Sam:“Yeah. Very lucky. You know… I never caught your name that day.”
(うん。本当にラッキーだった。そういえば…あの日、名前を聞いてなかったよね)

Ana: “Ana. Nice to meet you — again.”
(Anaよ。あらためて、よろしくね)


💬 印象的なセリフ

“You had a jacket. Broken zipper, right?”
“Wow. I didn’t think you’d remember. But yes, that was me—the difficult customer.”

出会いは小さなトラブルから。でも、だからこそ忘れられない。
そんな再会のシーンが、胸に残ります。


🔍 学習ポイント

  • “I didn’t think you’d remember.”  →「覚えてるなんて思わなかった」=控えめながら嬉しさを表す表現
  • “I never caught your name that day.”  →「名前を聞きそびれてたね」=自然な距離の詰め方
  • “Lucky timing, I guess?”  → 偶然の再会をやわらかく受け入れる言い回し

💡 日常会話の中で「記憶に残っていた人との再会」を描写する英語表現に注目してみましょう!


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【The Eastfield Stories:Episode 11】「カウンター席で未来を語る」

◆ あらすじ

Eastfield International Cityを舞台にしたストーリー、第11話の舞台はBlue Leaf Café。 大学生でありカフェスタッフのDanielleは、いつものように常連客のVirajにカプチーノを出すところからスタートします。 ところがVirajの口から飛び出したのは「人工知能が科学論文を自動生成する時代が来た」という話題。AIの進化と人間の役割、そして未来の働き方について、日常の中で繰り広げられる10ターンの英会話です。

💡 会話を聞いてみましょう!

登場人物

Danielle:カフェで働く大学生。思いやりがあり、人の話をよく聞くタイプ。
Viraj:工学部の大学生。AIに強い関心を持ち、テクノロジーの未来について情熱を持って語る。

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◆ 会話スクリプト(英語+和訳)

Danielle: “Hey Viraj! Your usual cappuccino?”

(こんにちは、Virajさん!いつものカプチーノでいいですか?)

Viraj: “Yes, please. And… I’ve just read something incredible about AI this morning.”
(うん、お願い。それとね…今朝、AIについてすごい記事を読んだんだ。)

Danielle: “Oh? What was it about?”
(えっ?どんな内容でした?)

Viraj: “A new system that can generate full scientific papers. Not summaries—entire papers!”
(科学論文を丸ごと生成できる新しいシステムのことだよ。要約じゃなくて、全部だよ!)

Danielle: “Wow… that sounds amazing. But also kind of scary.”
(わあ…すごいですね。でもちょっと怖くもありますね。)

Viraj: “It is. That’s why we need discussions—about ethics, creativity, responsibility.”
(そうなんだ。だからこそ、倫理とか創造性とか責任について議論が必要なんだよ。)

Danielle: “I wonder… will AI replace jobs like writing or even teaching?”
(うーん…AIって、執筆や教育みたいな仕事も奪っちゃうんでしょうか?)

Viraj: “Some parts, maybe. But I believe humans will shift to roles that need empathy and judgment.”
(一部はね。でも、人間はもっと共感や判断が必要な役割に移っていくと思う。)

Danielle: “I guess we’ll all need to keep learning—no matter what we do.”
(どんな仕事でも、学び続けることが大切なんですね。)

Viraj: “Exactly. And for now, let’s just enjoy this coffee and talk about the future.”
(そのとおり。そして今は、このコーヒーを飲みながら未来について語ろう。)

💡 英語学習ポイント

  • “generate full papers” = 論文を全文生成する(AI関連で注目の表現)
  • “roles that need empathy” = 共感が必要な仕事・役割
  • “keep learning” = 学び続ける

🌐 Episodeの背景解説

このエピソードでは、若者同士が日常の会話の中で「AIと未来」について自然に触れる様子が描かれています。 工学部の学生であるVirajの熱い語りと、Danielleの素直なリアクションから、テクノロジーの進化が私たちの暮らしにどう関わってくるのか、英語で意見を交わす練習にもぴったりな構成です。


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【The Eastfield Stories:Episode 10】「キャリアの一歩目はどこから?」

◆ あらすじ

Eastfield International Cityを舞台にしたストーリー、第10話では国際ビジネスセミナーの講師を務めたAlexと、学生のTaroとDonnyのやりとりが描かれます。講演後の質問タイムで、将来の進路に悩むふたりが率直な不安や希望を語り、Alexがやさしく実践的なアドバイスを送ります。

💡 会話を聞いてみましょう!

登場人物:

Alex:Eastbridge Internationalの社員。フランス出身。穏やかで知的な国際派ビジネスマン。
Taro:日本からの交換留学生。実直で努力家。英語で話すことにまだ自信がない。 Donny:アメリカ出身の大学生。陽気で前向き。キャリアについて模索中。

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◆ 会話スクリプト(英語+和訳)

Donny: “Hey Alex, great talk today. You made international careers sound exciting.”
(アレックス、今日の講義すごくよかったです。国際的な仕事って面白そうだなって思いました。)

Alex: “Thanks, Donny. I’m glad it gave you some ideas.”
(ありがとう、ドニー。何かヒントになったならうれしいよ。)

Taro: “I wanted to ask—do you think someone like me, with no experience abroad, can work internationally?”
(僕みたいに海外経験のない人間でも、国際的な仕事ってできますか?)

Alex: “Of course. Everyone starts somewhere. What matters is mindset and effort.” (もちろんさ。誰だって最初は未経験だよ。大事なのは姿勢と努力だ。)

Donny: “What would you say is the most important skill to develop now?” (今のうちに身につけておくべきスキルって何だと思いますか?)

Alex: “Communication—especially across cultures. And adaptability.” (コミュニケーション力、とくに異文化間でのね。それから適応力かな。)

Taro: “I’m not very confident in speaking up… Especially in English.” (僕、自分の意見を言うのがちょっと苦手で…。とくに英語では。)

Alex: “Start small. Ask questions. Share thoughts, even simple ones. You’ll build confidence over time.”
(小さなことから始めるといい。質問をしたり、簡単なことでも思ったことを話す。それが自信につながるんだ。)

Donny: “What helped you when you were starting out?”
(アレックスさんがキャリアの最初に助けられたことって何ですか?)

Alex: “Mentors. I asked for advice a lot. And I learned from my mistakes.”
(メンターの存在だね。よくアドバイスを求めたし、失敗からもたくさん学んだよ。)

Taro: “Would it be okay if I emailed you some questions later?”
(後でメールで質問を送ってもいいですか?)

Alex: “Absolutely. I’d be happy to help however I can.”
(もちろんだよ。できる限りサポートするからね。)

💡 英語学習ポイント

  • “Everyone starts somewhere.”(誰でも最初は初心者)
  • “Start small.”(小さなことから始めよう)
  • “I’d be happy to help.”(喜んで手伝います)

🌐 Episodeの背景解説

Eastfield International Universityでは、定期的に国際ビジネスの現場で活躍するプロフェッショナルによるセミナーが開催されています。今回はその一環として、Alexが講師を務め、学生たちにキャリアへの具体的な一歩を示しました。「どこから始めればいいのかわからない」「自信がない」といった学生のリアルな悩みを通して、実践的な英語フレーズや前向きなマインドの重要性を学ぶことができます。


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【The Eastfield Stories:Episode 9】金曜日の相談ごと

◆ あらすじ

Eastfield International Cityを舞台にしたストーリー、第9話の主役はBlue Leaf Caféで働くカナダ人学生Danielle。この日、カフェオーナーのCarlosに重要なシフト変更を頼まれます。カジュアルで親しみやすい表現は、日常英語の習得にも最適です。

💡 会話を聞いてみましょう!

登場人物

Danielle:Blue Leaf Caféのバイトスタッフ。勉強も課外活動も真面目な大学生。

Carlos:カフェのオーナー。スペイン出身。親しみやすく、ひとりひとりを大事にする。

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📅 会話スクリプト(英語+和訳)

Carlos: “Morning, Danielle. Thanks for coming in early today.”

(おはよう、ダニエル。今日は早く来てくれてありがとう)

Danielle: “No problem, Carlos. I had a free period this morning anyway.”

(大丈夫ですよ、カルロス。今日は朝は空き時間だったので)

Carlos: “Great. Listen, I wanted to ask—can you cover the Friday evening shift?”

(助かるよ。あのね、金曜の夜のシフト、代わってもらえないかな?)

Danielle: “Hmm… I have a group study session, but I might be able to reschedule.”

(うーん…グループ勉強があるけど、時間を調整できるかも)

Carlos: “Only if it doesn’t mess up your studies. I know school comes first.” (無理しないでね。勉強が一番大事だってわかってるから)

Danielle: “Thanks. I really appreciate that. Let me check with my group and get back to you.” (ありがとうございます。そう言ってもらえると助かります。グループに確認してから返事しますね)

Carlos: “Sounds good. Also, did you see the new espresso machine? It arrived this morning.” (いいね。ところで、新しいエスプレッソマシン見た?今朝届いたんだ)

Danielle: “I did! It looks amazing. I’m excited to try it out.”

(見ました!めっちゃかっこいいですよね。使うの楽しみ!)

Carlos: “Let’s give it a test run after the lunch rush, yeah?”

(ランチタイムが終わったら試運転してみよう?)

Danielle: “Absolutely. And I’ll text you about Friday as soon as I know.” (ぜひ!金曜のことはわかり次第すぐにメッセージしますね)

🔑 英語学習ポイント

▶ 予定を調整するよく使う表現: “Can you cover…?” / “I might be able to reschedule.” / “Let me get back to you.”

▶ 職場での軟らかいコミュニケーション表現が多数登場します

🌐 Episodeの背景解説

Blue Leaf CaféはEastfieldのはずれにある、大学生たちに人気のカフェ。Danielleは学業とバイトを両立させる正真剣な学生。このエピソードは、素敵な大人たちのやりとりの中で「不確定を伝える」「硬くならない方法で説明する」という技術を学べる実用的レッスンとなります。


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【The Eastfield Stories:Episode 8】久しぶりの夕食、でも…

◆ あらすじ

Eastfield International Cityを舞台にしたストーリー、第8話の主人公はChristopherとAna。仕事でEastfieldに滞在していたChristopherが、2週間ぶりにロンドンの自宅へ戻ります。久しぶりの夕食を囲むふたりですが、どこかぎこちない会話が続きます。今回は、「すれ違い」と「遠慮がちな本音」をテーマに、日常英会話の中にある微妙な距離感を学びます。

💡 会話を聞いてみましょう!

登場人物

Christopher:グローバルビジネスを担当する企業幹部。理性的で控えめな性格。

Ana:現代アートギャラリーのディレクター。自立心が強く、感情表現は控えめ。

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◆ 会話スクリプト(英語+和訳)

Ana:

So… how was Eastfield?

(それで…Eastfieldはどうだった?)

Christopher:

Busy. Meetings back-to-back. The usual.

(忙しかったよ。会議がぎっしりで。いつも通りさ。)


Ana:

You didn’t call much.

(あまり電話くれなかったよね。)

Christopher:

Yeah, sorry about that. Things just… piled up.

(うん、ごめん。ちょっといろいろ立て込んでて。)


Ana:

I understand. I’ve been working late too.

(わかってるわ。私もずっと残業続きだったから。)

Christopher:

Right. How’s the project at the gallery going?

(そうか。ギャラリーのプロジェクトはどう?)


Ana:

Fine. We had the opening last week. You probably saw the invite.

(順調よ。先週オープニングがあったの。招待状、見てくれてたと思うけど。)

Christopher:

I did. I’m sorry I missed it.

(見たよ。行けなくて申し訳なかった。)


Ana:

Yeah.

(うん…)

Christopher:

Anyway… dinner looks great. Thanks.

(とにかく…夕食、美味しそうだね。ありがとう。)


💡 英語学習ポイント

  • “Things just piled up”:「仕事が立て込んでいた」の自然な言い回し
  • “I’m sorry I missed it”:行けなかったことへの丁寧な謝罪表現
  • 短いやり取りの中に現れる、微妙な感情の表現もリスニングでは重要

🌐 Episodeの背景解説

ChristopherとAnaは、国際都市Eastfieldとロンドンを行き来するカップル。それぞれのキャリアを尊重しながらも、すれ違いや沈黙が生まれる関係に悩む姿が描かれます。今回の会話は、表面的には穏やかでも、言葉にできない気持ちがにじむ“リアルな距離感”が見どころ。英語学習者にとっては「控えめな感情表現」や「ぎこちない空気感を伝えるフレーズ」に注目したい回です。


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【The Eastfield Stories:Episode 7】初めての出社日 – 不安と希望のスタート

◆ あらすじ

Eastfield International Cityを舞台にしたストーリー、第7話の主人公はSophia。大学を卒業したばかりの彼女は、ついに憧れの企業Veridia Solutionsに初出社します。今回は、職場での“初めての会話”に焦点を当て、英語での丁寧なやり取りや不安を伝える表現を学びます。

💡 会話を聞いてみましょう!


登場人物

  • Sophia:新入社員。心配性で真面目。少し緊張しながら初出社。
  • Jessica:人事担当者。落ち着いた雰囲気で新入社員を迎えるプロ。

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◆ 会話スクリプト(英語+和訳)

Jessica:
“Good morning! You must be Sophia. I’m Jessica Carter from HR—welcome to Veridia Solutions. How are you feeling?”
(おはようございます!ソフィアさんですね。人事部のジェシカ・カーターです。ヴェリディア・ソリューションズへようこそ。調子はいかがですか?)

Sophia:
“Hi… yes, I’m Sophia. Nice to meet you. I’m feeling a bit nervous, to be honest. Everything’s new to me.”
(はい…ソフィアです。お会いできて嬉しいです。正直なところ、少し緊張しています。すべてが初めてなので。)

Jessica:
“That’s completely normal. Everyone feels that way on their first day. I’ll walk you through the onboarding process and show you around.”
(それはとても普通のことですよ。誰でも初日はそう感じます。これから導入手続きと社内を案内しますね。)

Sophia:
“Thank you so much. I really appreciate it. I hope I can keep up with everything.”
(ありがとうございます。本当に助かります。全部ついていけるといいのですが…)

Jessica:
“No pressure—we’re here to support you. Let’s head to the meeting room first. You’ll get to meet your team and your mentor today.”
(気負わなくて大丈夫ですよ。私たちがしっかりサポートします。まずは会議室に行きましょう。今日はチームやメンターに会えますよ。)

Sophia:
“Sounds good. I’m looking forward to meeting them… even if I forget a few names!”
(いいですね。みなさんにお会いするのが楽しみです…名前をいくつか忘れてしまうかもしれませんけど!)

Jessica:
“Don’t worry—we’ll give you a cheat sheet. And remember: it’s okay to ask questions. We prefer that to silent confusion.”
(心配しないで、名前リストも用意していますから。質問するのは全然OK。黙って混乱するより、聞いてくれたほうがずっといいですよ。)

Sophia:
“Got it. I’ll do my best. Thanks again, Jessica.”
(わかりました。がんばります。ジェシカさん、本当にありがとうございます。)


💡 英語学習ポイント

  • “I’m a little nervous.” は初対面や初日の不安を伝える定番表現
  • “Totally normal!” は相手の不安に寄り添うフレーズ
  • 職場英語表現:「introduce you to the team」「show you around」なども要チェック!

🌐 Episodeの背景解説

Veridia SolutionsはEastfieldでも急成長中のテクノロジー企業で、Eastbridge Internationalの主要パートナー企業でもあります。今回のEpisodeは、「社会人としての第一歩」「初対面での英語表現」「不安とどう向き合うか」という英語学習においても実用的なテーマが満載です。


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【The Eastfield Stories : Episode 6】Maple Houseのファミリーディナー事件


◆ あらすじ

Maple House恒例の「ファミリーディナー」。今回はVirajが本格インドカレーをふるまうことに!

ところがスパイスや具材の違いで大騒動。文化や好みがぶつかり合い、最後は笑顔で食卓を囲みます。

💡 会話を聞いてみましょう!


◆ 登場人物

  • Viraj(インド出身・工学部大学院生/料理が得意・合理主義者)
  • Donny(アメリカ出身・世話焼きで明るい大学生)
  • Taro(日本出身・実直だが掃除が苦手な交換留学生)
  • Magot(オーストラリア出身・文学好きの学生)

登場人物紹介ページ(キャラクター一覧)


◆ 会話スクリプト(英語+和訳)

Viraj:

Alright, everyone! Tonight, I’ll make my favorite chicken curry from India. I’ll need some special spices—did we manage to find everything?

(みんな!今日は僕の大好きなインドのチキンカレーを作るよ。特別なスパイスが必要なんだけど、全部そろった?)

Donny:

Uh… I went to the international market, but I wasn’t sure about a few of the names. Is this the “garam masala” you wanted?

(えっと…インターナショナルマーケットに行ったけど、名前がよくわからなくて。これがガラムマサラ?)

Viraj:

Let me see… Oh, this is cinnamon! Not quite, but we can work with it. Thanks for trying, Donny.

(見せて…あ、これはシナモンだ!ちょっと違うけど、なんとかなるよ。ありがとうドニー)

Taro:

I brought potatoes and carrots. Japanese curry always has these. Is it okay to put them in?

(僕はジャガイモとニンジンを持ってきたよ。日本のカレーは必ず入れるんだ。入れてもいい?)

Viraj:

Hmm, actually, Indian curry usually doesn’t have carrots, but I think we can try a fusion tonight!

(うーん、本場のインドカレーには普通は入れないけど、今夜はフュージョンでいこう!)

Magot:

I read online that some people put apples in curry for sweetness. I have an apple—should I chop it up?

(ネットで、カレーに甘みを出すためリンゴを入れる人もいるって読んだよ。私もリンゴあるけど、切ろうか?)

Donny:

Why not? This is going to be the most international curry ever. I’ll handle the rice. Does everyone want white or brown rice?

(いいじゃん!これまでで一番国際的なカレーになりそうだ。ご飯は僕がやるよ。白ご飯と玄米、どっちがいい?)

Taro:

I prefer white, but I can eat brown, too. Viraj, do you want help with anything else?

(僕は白ご飯が好きだけど、玄米でも大丈夫。Viraj、他に手伝うことある?)

Viraj:

Can you all taste the sauce and tell me if it’s too spicy? I might’ve added too much chili.

(みんな、ソースの味見してみて。辛すぎるかも。チリを入れすぎたかも…)

Magot:

Wow, that’s spicy! But delicious. Next time, maybe just a little less chili?

(うわ、辛い!でもおいしい。今度はチリをもう少し控えめにしよう?)

Viraj (laughing):

Deal! Thanks, everyone. I love how we mix all our cultures in one pot.

(そうしよう!みんなありがとう。みんなの文化が一つの鍋に混ざって最高だよ)


◆ 今回のポイント・解説

  • 異文化コミュニケーション:食材や味付けの違いから生まれる“留学あるある”
  • 協力・チームワーク:誰か一人の味じゃなく「みんなの工夫」で一つの料理を完成!
  • 実用英語:料理や日常でよく使う表現をスクリプトで習得

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#MapleHouse #EastfieldLife #国際シェアハウス #英語ドラマ #異文化 #ファミリーディナー

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ブログ 医学部小論文 小論文対策

第14回:専門用語の適切な使用と平易な説明の両立

こんにちは。あんちもです。前回は「反論を想定した論述の厚みの出し方」について解説しました。自分の主張に対する反論を先取りして対応することで、論述に深みと説得力を持たせる方法を学びました。

今回のテーマは「専門用語の適切な使用と平易な説明の両立」です。医学部小論文では、医学的な専門用語を適切に用いることで知識と理解力をアピールしつつも、それを誰にでも分かりやすく説明する能力が求められます。この回では、専門用語の効果的な使い方と、難解な概念を平易に説明するコツについて解説します。

医学部小論文における専門用語の重要性と使用バランス

医学部小論文において専門用語の使用は「諸刃の剣」です。適切に使えば評価が上がりますが、使い方を誤ると逆効果になります。その重要性と適切なバランスについて考えてみましょう。

専門用語使用の意義

医学部小論文で適切に専門用語を使用することには、以下のような意義があります:

1. 知識と理解の証明

医学・医療の基本的な専門用語を正しく使用することは、その分野への理解と知識を持っていることの証明になります。例えば、「心筋梗塞」を適切な文脈で用いることができれば、循環器疾患の基礎知識があることが伝わります。

2. 表現の精確性と効率性

専門用語は多くの場合、複雑な概念を簡潔に表現するために存在します。「自己免疫疾患」という一語で、「体の免疫系が自分自身の組織を攻撃してしまう病気」という長い説明を短縮できます。

3. 医療者としての適性のアピール

医療コミュニケーションでは、専門用語と一般的な言葉を状況に応じて使い分ける能力が求められます。小論文でその能力を示すことで、医療者としての適性をアピールできます。

専門用語使用の落とし穴

一方で、専門用語の不適切な使用は以下のような問題を引き起こします:

1. 「専門用語の羅列」による内容の薄さ

専門用語を並べただけで、その意味や関連性について深く考察していないと、表面的で内容の薄い文章になります。

2. 誤用によるマイナス評価

専門用語を誤った文脈や意味で使用すると、かえって理解不足を露呈することになり、大きな減点要因となります。

3. 読み手への配慮不足

過度に専門的な用語だけを使用すると、医学の知識がない読み手(例えば、入試担当の国語教員など)には理解しづらい文章になってしまいます。

理想的なバランス

医学部小論文における専門用語の理想的な使用バランスは以下の通りです:

基本的な医学用語:適切に使用する
専門性の高い用語:使用する場合は簡潔な説明を添える
一般的な言葉:専門用語と組み合わせて文章の流れを作る

このバランスを保つことで、専門知識をアピールしつつも、読みやすく説得力のある文章を書くことができます。

医学部小論文で効果的に使える専門用語のレベル分け

医学的専門用語をレベル別に分類し、小論文での使い方を考えてみましょう。

レベル1:説明不要の基本医学用語

高校生でも知っている(または文脈から意味が推測できる)基本的な医学用語です。これらは説明なしで使用可能です。

  • 免疫(immunity)
  • 遺伝子(gene)
  • インフルエンザ(influenza)
  • 心臓発作(heart attack)
  • 抗生物質(antibiotics)
  • ワクチン(vaccine)

使用例: 「予防接種によって集団免疫を獲得することは、感染症対策の基本である。」

レベル2:簡単な説明を加えるべき中級医学用語

医学の基礎知識がある人なら理解できるが、一般の人には馴染みが薄い用語です。使用する場合は簡単な説明を添えると良いでしょう。

  • 生体恒常性(homeostasis)
  • 自己免疫疾患(autoimmune disease)
  • エビデンスに基づく医療(evidence-based medicine)
  • QOL(quality of life)
  • インフォームド・コンセント(informed consent)
  • 医原性疾患(iatrogenic disease)

使用例: 「自己免疫疾患(体の免疫系が自分自身の組織を攻撃する疾患)の治療では、免疫抑制剤の使用と感染リスクのバランスが重要となる。」

レベル3:詳しい説明が必要な高度専門用語

医学生や医療従事者でないと理解が難しい専門性の高い用語です。使用する場合は詳しい説明が必要です。小論文では、特別な理由がなければ避けるべきでしょう。

  • オートファジー(autophagy)
  • アポトーシス(apoptosis)
  • ミトコンドリア機能不全(mitochondrial dysfunction)
  • プロテオスタシス(proteostasis)
  • エピジェネティクス(epigenetics)
  • サイトカインストーム(cytokine storm)

使用例: 「近年注目されているオートファジー(細胞が自身の成分を分解・再利用する機構)の異常は、様々な神経変性疾患の発症メカニズムに関与していることが示唆されている。」

専門用語の適切な導入と説明の技術

医学部小論文で専門用語を効果的に導入し、分かりやすく説明するための具体的なテクニックを紹介します。

テクニック1:「言い換え」による導入

まず平易な言葉で概念を説明し、その後に専門用語を導入する方法です。

方法: 「〜すなわち(専門用語)」「〜いわゆる(専門用語)」などの表現を使います。

: 「細胞が計画的に自らの死を迎えるプロセス、すなわちアポトーシスは、がん抑制において重要な役割を果たしている。」

テクニック2:「かっこ書き」による説明

専門用語を使用した後、括弧内に簡潔な説明を加える方法です。

方法: 「専門用語(平易な説明)」の形式で記述します。

: 「QOL(生活の質)の向上は、現代医療における重要な目標である。」

テクニック3:「具体例」を用いた説明

抽象的な専門用語を具体例と結びつけて説明する方法です。

方法: 「専門用語」の後に「例えば〜」と続けて具体例を示します。

: 「慢性炎症は様々な疾患の原因となりうる。例えば、動脈硬化は血管壁の慢性炎症により進行することが知られている。」

テクニック4:「比喩」による説明

専門用語の概念を身近なものに例えて説明する方法です。

方法: 「専門用語は〜のようなものである」という形で比喩を用います。

: 「免疫系は身体の防衛軍のようなものであり、免疫不全はこの防衛システムに穴が開いた状態と言える。」

テクニック5:「段階的説明」の活用

複雑な専門概念を段階的に説明していく方法です。

方法: まず基本概念を説明し、徐々に専門的な内容に進みます。

: 「ゲノム医療とは、個人の遺伝情報に基づいた医療のことである。人間のDNAには約30億の塩基対があり、その中の僅かな違いが疾患リスクや薬剤反応性の個人差を生み出す。このような遺伝的多様性を分析することで、一人ひとりに最適な予防法や治療法を提供するのがゲノム医療の目的である。」

平易な説明が求められる医学的テーマと説明例

医学部小論文でよく出題される専門的なテーマと、それを平易に説明する例を紹介します。

テーマ1:「エビデンスに基づく医療(EBM)」

専門的説明: 「エビデンスに基づく医療とは、個々の患者ケアに関する意思決定において、入手可能な最良のエビデンスを良心的かつ明示的、適切に用いることである。」

平易な説明: 「エビデンスに基づく医療とは、個々の患者の治療法を決める際に、「なんとなく」や「経験的に」ではなく、科学的な研究結果(エビデンス)を重視するアプローチです。例えば、新しい薬が本当に効果があるかどうかは、感覚ではなく、大規模な臨床試験の結果に基づいて判断します。ただし、患者の価値観や臨床経験も合わせて考慮することが重要です。」

テーマ2:「サイトカインストーム」

専門的説明: 「サイトカインストームとは、免疫系の過剰反応によりサイトカインと呼ばれる炎症性メディエーターが大量に放出され、多臓器不全などの重篤な全身性炎症反応が引き起こされる病態である。」

平易な説明: 「サイトカインストームとは、体の免疫システムが暴走してしまう現象です。通常、体は外敵(ウイルスなど)と戦うために「サイトカイン」というシグナル物質を出しますが、時にこの反応が制御不能になり、大量のサイトカインが放出されます。これは火事を消そうとして水をかけすぎ、洪水を起こすようなもので、結果として体の各器官にダメージを与えてしまいます。新型コロナウイルス感染症の重症例でもこの現象が見られます。」

テーマ3:「生活習慣病」

専門的説明: 「生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群であり、動脈硬化性疾患、糖尿病、脂質異常症、高血圧などが含まれる。」

平易な説明: 「生活習慣病とは、毎日の生活の積み重ねが原因となって発症する病気の総称です。例えば、バランスの悪い食事、運動不足、ストレス、喫煙、過度の飲酒などが長年続くと、高血圧や糖尿病などの病気につながります。これらの病気は急に現れるわけではなく、長い時間をかけて徐々に進行し、気づいたときには重症化していることも少なくありません。予防には日常生活の見直しが最も効果的です。」

テーマ4:「再生医療」

専門的説明: 「再生医療とは、幹細胞等を用いて、失われた組織や臓器の機能を再生させる医療技術である。iPS細胞、ES細胞、体性幹細胞などを用いた細胞移植療法や組織工学的手法による組織・臓器の構築などが含まれる。」

平易な説明: 「再生医療とは、傷ついたり機能が低下した体の組織や臓器を、新しい細胞で修復・再生させる医療です。例えば、皮膚に大きなやけどを負った場合、健康な皮膚の細胞を培養して移植することで治療します。最近では、iPS細胞という「さまざまな組織に変化できる特殊な細胞」を使った治療法の研究も進んでいます。将来的には、臓器移植に代わる方法として期待されています。」

テーマ5:「ゲノム編集」

専門的説明: 「ゲノム編集とは、CRISPR-Cas9などの技術を用いて、DNA配列を特異的に切断し、遺伝子の挿入・欠失・置換などの改変を行う技術である。遺伝子治療や品種改良などへの応用が期待されている。」

平易な説明: 「ゲノム編集とは、生物の設計図であるDNAを、望みの場所だけ正確に書き換える技術です。これは、例えるなら分厚い本の特定のページだけを取り出して修正できるようなものです。従来の遺伝子組換え技術よりも正確で効率的であり、特にCRISPR-Cas9という方法の登場で大きく進歩しました。この技術を使えば、遺伝病の治療や、病気に強い作物の開発などが可能になると期待されています。一方で、倫理的な課題も多く議論されています。」

専門用語と平易な説明を組み合わせた小論文例

実際の医学部小論文のテーマについて、専門用語を適切に使いながら平易な説明も加えた例を紹介します。

例1:「予防医学の重要性」に関する小論文(600字)

予防医学とは、疾病の発生を未然に防ぎ、健康を維持・増進するための医学分野である。従来の「治療医学」が疾病の診断と治療に重点を置くのに対し、予防医学は病気になる前の段階に介入することを目指す。

予防医学は一次予防、二次予防、三次予防の3段階に分けられる。一次予防は疾病の発生自体を防ぐ取り組みであり、予防接種や生活習慣の改善がこれにあたる。例えば、子どもへの麻疹ワクチン接種は、重症化リスクの高い感染症を未然に防ぐ効果的な一次予防である。

二次予防は、疾病の早期発見・早期治療を指す。がん検診や特定健康診査などのスクリーニング検査がこれに該当する。例えば、大腸がん検診で便潜血(便の中に目に見えない微量の血液が混じること)を発見し、精密検査で早期がんを発見・治療することで、進行がんへの移行を防ぐことができる。

三次予防は、既に発症した疾病の悪化や合併症を防ぎ、機能障害を最小限に抑えることを目的とする。例えば、糖尿病患者の血糖コントロールは、網膜症や腎症などの合併症を予防する重要な三次予防である。

予防医学の重要性は、医療経済的側面からも強調できる。生活習慣病(不適切な食事や運動不足などの生活習慣が原因となって発症する疾患群)の増加により医療費は年々上昇しているが、効果的な予防戦略の実施により、この増加を抑制できる可能性がある。例えば、高血圧の一次・二次予防により、脳卒中や心筋梗塞(心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が詰まり、心筋が壊死する状態)などの重大な循環器疾患を減少させることができれば、医療費削減に大きく貢献する。

予防医学の推進には、医療者による適切な指導だけでなく、地域社会や行政による健康増進の取り組み、そして何より個人の健康意識の向上が不可欠である。

この小論文では:

  • 「予防医学」「一次予防」「二次予防」「三次予防」などの専門用語を使用
  • 「便潜血」「心筋梗塞」などには括弧書きで簡単な説明を加えている
  • 「スクリーニング検査」「生活習慣病」などには具体例を示して理解を助けている

例2:「先制医療の可能性と課題」に関する小論文(800字)

先制医療(preemptive medicine)とは、病気の発症前または超早期に介入し、発症や進行を防ぐ医療のアプローチである。従来の「発症後に治療する」という反応的医療から、「発症前に予防する」という能動的医療へのパラダイムシフト(考え方の大きな転換)を意味している。 先制医療の基盤となるのは、バイオマーカー(体内の生物学的変化を示す指標)の活用である。例えば、アルツハイマー型認知症では、症状が現れる10〜20年前からアミロイドβというタンパク質が脳内に蓄積し始めることが知られている。PETスキャン(特殊な放射性物質を用いた画像診断)でこの蓄積を早期に検出できれば、認知機能が低下する前に介入できる可能性がある。 また、遺伝子解析技術の発展により、疾患感受性遺伝子(特定の病気にかかりやすくする遺伝子変異)の検出も可能になっている。例えば、BRCA1/2遺伝子の変異を持つ女性は乳がんのリスクが高いことが知られており、この情報をもとに予防的な対策を講じることができる。 先制医療のもう一つの重要な要素は、ライフログ(日常生活に関するデジタルデータ)の活用である。スマートウォッチなどのウェアラブルデバイス(身につけられる電子機器)で心拍数や活動量を継続的に測定することで、健康状態の変化を早期に検知できる。例えば、心房細動(不整脈の一種)の発作を検出し、脳卒中の予防につなげる試みが始まっている。 しかし、先制医療には課題も多い。まず、過剰診断(健康に影響しない病変まで発見して不必要な治療を行うこと)のリスクがある。全ての異常所見が将来の疾患発症につながるわけではなく、不要な不安や医療介入を生む可能性がある。 また、遺伝情報による差別(遺伝的リスクに基づく保険加入制限など)の問題や、健康格差(経済状況により先制医療へのアクセスに差が生じること)の拡大も懸念される。 さらに、費用対効果の検証も課題である。先制医療には高度な検査技術が必要であり、全ての人に適用するには莫大なコストがかかる。限られた医療資源の中で、どのような集団にどの程度の先制医療を提供するかは、医療経済学的分析が不可欠である。 先制医療は、個別化予防(個人の特性に合わせた予防法)を可能にする画期的なアプローチだが、その実現には科学的エビデンスの蓄積と社会的合意形成が必要である。

この小論文では:

  • 「先制医療」「バイオマーカー」「疾患感受性遺伝子」などの専門用語を使用
  • 「パラダイムシフト」「ウェアラブルデバイス」などには括弧書きで説明を加えている
  • 「アルツハイマー型認知症」「心房細動」などの疾患については、文脈から理解できるように配慮している
  • 「過剰診断」「個別化予防」などの概念には簡潔な説明を付け加えている

専門用語を適切に使うための練習方法

医学部小論文で専門用語を適切に使いこなせるようになるための練習方法を紹介します。

練習法1:「翻訳」トレーニング

医学論文や専門書の一節を、一般の人にも分かるように「翻訳」する練習です。

手順

  1. 医学関連の専門書や論文から短い段落を選ぶ
  2. その段落に含まれる専門用語をすべて抽出する
  3. 各専門用語について、一般の人向けの説明を考える
  4. 元の段落を、専門用語の説明を加えながら書き直す

例題: 「2型糖尿病患者におけるインスリン抵抗性の改善には、骨格筋における糖取り込みを促進する運動療法が有効である。」

「翻訳」例: 「2型糖尿病(血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きが弱くなる病気)の患者さんでは、体がインスリンに反応しにくくなる状態(インスリン抵抗性)が問題となります。この状態を改善するには、筋肉(骨格筋)が糖分を取り込む働きを高める運動が効果的です。」

練習法2:「段階的説明」トレーニング

同じ医学的概念を、異なる知識レベルの相手に説明する練習です。

手順

  1. 医学的な概念(例:「免疫」「炎症」など)を一つ選ぶ
  2. その概念について以下の相手向けに説明文を書く:
    • 小学生向け
    • 高校生向け
    • 医学生向け

例題:「アレルギー」について説明する

小学生向け: 「アレルギーとは、体が間違えて普通は害のないもの(花粉やハウスダストなど)を敵だと思ってしまう状態です。体が「敵が来た!」と大騒ぎするので、くしゃみや鼻水、かゆみなどの症状が出ます。」

高校生向け: 「アレルギーとは、本来無害な物質(アレルゲン)に対して免疫系が過剰に反応してしまう現象です。体内に入ったアレルゲンを異物と認識した免疫細胞が抗体を作り、これが肥満細胞などに結合します。再度同じアレルゲンが入ると、この抗体が反応して炎症物質が放出され、アレルギー症状が引き起こされます。」

医学生向け: 「アレルギーは、抗原特異的IgE抗体が肥満細胞や好塩基球上のFcεRIに結合し、アレルゲン再曝露時に架橋形成によって細胞内シグナル伝達が活性化され、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されることで引き起こされる過敏反応である。Th2優位の免疫応答やIL-4、IL-13などのサイトカインがIgE産生を促進する。」

練習法3:「比喩創出」トレーニング

医学的概念を理解しやすい比喩で説明する練習です。

手順

  1. 医学的な概念を一つ選ぶ
  2. その概念を日常的な物事に例える比喩を3つ以上考える
  3. 最も分かりやすい比喩を選び、説明文を書く

例題:「免疫系」について比喩を用いて説明する

比喩案

  • 免疫系は体の防衛軍である
  • 免疫系は国境警備隊である
  • 免疫系は建物のセキュリティシステムである

説明例: 「私たちの体の免疫系は、国の防衛システムによく似ています。まず、皮膚や粘膜は国境の壁やフェンスのように外敵の侵入を防ぎます。それでも侵入してきた細菌やウイルスは、マクロファージという巡回警官がパトロールして捕まえます。さらに、特殊部隊のような抗体やT細胞が特定の敵だけを狙い撃ちします。また、過去に侵入した敵の情報を記憶し、次回同じ敵が来たときには素早く対応する”記憶システム”も備えています。ワクチンとは、この防衛システムに”模擬訓練”を行わせるようなものです。」

練習法4:「専門用語辞典」作成

自分専用の「専門用語辞典」を作る練習です。

手順

  1. ノートやデジタルドキュメントを用意する
  2. 医学関連のニュースや書籍を読んで、知らない専門用語をリストアップする
  3. 各用語について以下を記録する:
    • 専門的な定義
    • 自分の言葉による平易な説明
    • 使用例文
  4. 定期的に復習し、小論文で適切に使えるようにする

記録例

【用語】サルコペニア (sarcopenia) 【専門的定義】 加齢に伴う骨格筋量および筋力の進行性かつ全身性の減少を特徴とする症候群 【平易な説明】 年を取るにつれて筋肉の量や力が減っていく状態。単なる筋力低下ではなく、日常生活動作や生活の質に影響を及ぼす程度まで進行した状態を指す。 【使用例文】 高齢者のサルコペニア(加齢による筋肉量・筋力の減少)は、転倒リスクを高め、生活の自立度を低下させるため、早期からの予防的介入が重要である。

専門用語と平易な説明のバランスにおける注意点

最後に、医学部小論文で専門用語と平易な説明のバランスを取る際の注意点を整理します。

注意点1:読み手を想定する

医学部小論文を書く際は、評価者が誰かを考慮することが重要です。医学部の小論文では、医学の専門家だけでなく、国語や小論文の専門家が評価することもあります。そのため、医学の専門知識がない人でも理解できる文章を心がけましょう。評価者によって期待される専門性のレベルが異なることを念頭に置き、専門用語と平易な説明のバランスを調整する必要があります。

注意点2:専門用語の定義を統一する

同じ専門用語を文章中で複数回使用する場合は、一貫した定義や説明を用いることが重要です。説明が異なると読み手を混乱させ、理解不足と判断される可能性があります。

注意点3:専門用語の「連鎖」を避ける

「〜による〜のための〜」というように、専門用語が連続して使われると文章が難解になります。専門用語を使った後は、より平易な言葉で説明を続けるよう心がけましょう。

改善が必要な例: 「インスリン抵抗性によるメタボリックシンドロームの発症メカニズムには内臓脂肪からのアディポサイトカインの分泌異常が関与している。」

改善例: 「インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなること)が、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満と関連する生活習慣病の集まり)を引き起こす仕組みには、内臓脂肪から出るホルモン様物質の異常が関わっています。」

注意点4:過度の簡略化を避ける

専門用語の説明を簡略化しすぎると、正確性を損なう恐れがあります。平易な説明でも医学的に誤りのない表現を心がけましょう。

改善が必要な例: 「動脈硬化とは、血管に脂肪がたまる病気である。」

改善例: 「動脈硬化とは、血管の内側にコレステロールなどの脂質やカルシウムなどが徐々に蓄積し、血管が硬く弾力性を失っていく状態です。これにより血管が狭くなったり、時に詰まったりして、様々な病気の原因となります。」

注意点5:専門用語の「装飾的使用」を避ける

内容の薄い文章を専門用語で飾ろうとするのは逆効果です。専門用語は、その使用が文章の内容理解に必要な場合にのみ用いるべきです。

改善が必要な例: 「医療のパラダイムシフトが進行する現代社会において、エビデンスベースドメディスンの重要性は言うまでもない。」

改善例: 「医療の考え方が「経験則重視」から「科学的根拠重視」へと大きく変化する中で、研究結果に基づいた医療(エビデンスに基づく医療)の実践がますます重要になっている。」

今回のまとめ

  • 専門用語の適切な使用は、医学的知識のアピールと文章の精確性向上に役立つが、過度な使用は逆効果になる
  • 専門用語は基本的(説明不要)、中級的(簡単な説明が必要)、高度(詳しい説明が必要)の3レベルに分けて考えると良い
  • 専門用語の導入方法としては、「言い換え」「かっこ書き」「具体例」「比喩」「段階的説明」などの技術がある
  • 平易な説明を心がけるべき医学的テーマとしては、「エビデンスに基づく医療」「サイトカインストーム」「生活習慣病」「再生医療」「ゲノム編集」などがある
  • 練習方法としては、「翻訳」トレーニング、「段階的説明」トレーニング、「比喩創出」トレーニング、「専門用語辞典」作成などが効果的である
  • 専門用語と平易な説明のバランスを取る際には、読み手の想定、定義の統一、専門用語の連鎖回避、過度の簡略化回避、装飾的使用の回避に注意する

次回予告

次回は「国立・私立医学部の出題傾向の違いと対策」について解説します。国立大学と私立大学の医学部では、小論文の出題傾向や評価基準に違いがあります。それぞれの特徴を理解し、効果的な対策を立てるための具体的な方法を学びましょう。お楽しみに!