こんにちは!英検準2級対策シリーズ第9回へようこそ。前回は「テーマ別対策③:健康・スポーツ・旅行」について解説しました。今回は「自己添削の簡単なコツと練習方法」として、自分自身で英作文を見直し、改善するためのテクニックを紹介します。プロの添削がなくても、自分で効果的に英作文をチェックし、修正する方法を身につけることで、英作文力を着実に向上させていきましょう!
1. 自己添削の重要性
自己添削とは、自分で書いた英作文を自分自身でチェックし、修正することです。これがなぜ重要なのでしょうか?
自己添削の3つのメリット
- 自分の弱点を把握できる:繰り返し同じミスをしていることに気づくことで、自分の弱点を特定できます。
- 継続的な学習が可能:先生や添削サービスがなくても、いつでも自分で練習と改善ができます。
- 能動的な学習促進:自分でミスを見つけて修正することで、より深く学習内容が定着します。
効果的な自己添削の心構え
- 客観的な視点を持つ:自分の英作文を「他人が書いたもの」として見る意識を持ちましょう。
- 完璧を求めすぎない:一度に全てのミスを直そうとせず、段階的に改善していきましょう。
- 継続は力なり:定期的に自己添削を行うことで、徐々に英作文力が向上します。
2. 自己添削の基本ステップ
効果的な自己添削を行うための基本的な手順を紹介します。
ステップ1:時間を置く
英作文を書いた直後ではなく、少し時間(できれば1日以上)を置いてから見直すことで、より客観的に自分の文章を評価できます。
ポイント:
- 書いた英作文をノートやパソコンに保存しておく
- 翌日や数時間後に見直す時間を確保する
- 「新鮮な目」で読み返すことを意識する
ステップ2:音読する
自分の書いた英作文を声に出して読むことで、不自然な表現や文法ミスが見つけやすくなります。
ポイント:
- ゆっくりはっきりと発音する
- 文の切れ目で一旦止まる
- 読みにくい部分があれば印をつける
ステップ3:チェックリストを使う
以下のチェックリストを使って、体系的に英作文をチェックしましょう。
基本チェックリスト:
- 課題に答えているか(テーマから外れていないか)
- 文法のミスはないか(特に時制、主語と動詞の一致)
- スペルミスはないか
- 語数制限を守っているか(準2級は50〜60語程度)
- 文と文のつながりは自然か
ステップ4:修正する
見つけたミスや改善点を修正します。修正する際は、単にミスを直すだけでなく、なぜそのミスをしたのかを考えることが大切です。
修正のポイント:
- 赤ペンなど目立つ色で修正する
- 修正した理由をメモしておく
- 同じミスを繰り返さないよう注意点をまとめる
ステップ5:清書する
修正点を反映させた最終版を清書します。この段階で再度音読し、全体の流れを確認しましょう。
清書のポイント:
- 読みやすく丁寧に書く
- 修正前と修正後を比較して改善点を確認する
- 最終チェックとして語数をカウントする
3. 文法・語法のチェックポイント
英検準2級レベルでよくある文法・語法のミスと、そのチェック方法を解説します。
時制の一貫性
同じ文脈内で時制が不自然に変わっていないかチェックしましょう。
よくあるミス:
Yesterday, I go to the park and played baseball.
修正例:
Yesterday, I went to the park and played baseball.
チェック方法:
- 文章全体の時間軸を確認する(過去・現在・未来)
- 時を表す副詞(yesterday, now, tomorrow など)に注目する
- 主な時制から外れている動詞をチェックする
主語と動詞の一致
主語が単数か複数かによって、動詞の形が変わることを確認しましょう。
よくあるミス:
My brother play soccer every day.
修正例:
My brother plays soccer every day.
チェック方法:
- 主語に下線を引き、単数か複数かを確認する
- 対応する動詞を○で囲み、形が合っているか確認する
- 特に三人称単数現在形(plays, watches など)に注意する
冠詞の使用
a, an, the の使い方が適切かチェックしましょう。
よくあるミス:
I bought book yesterday. / I like the baseball.
修正例:
I bought a book yesterday. / I like baseball.
チェック方法:
- 名詞には冠詞(a, an, the)または所有格(my, your)が必要か確認する
- 特定のものを指す場合は the を使うべきか考える
- スポーツや抽象概念など、冠詞が不要な名詞を確認する
前置詞の選択
適切な前置詞が使われているかチェックしましょう。
よくあるミス:
I’m interested about sports. / I went to home.
修正例:
I’m interested in sports. / I went home.
チェック方法:
- 前置詞を使った表現(interested in, good at など)を確認する
- 時や場所を表す前置詞(in, on, at)が適切か確認する
- 「家に帰る」は go home(to は不要)など、例外的な表現に注意する
接続詞の使用
文と文をつなぐ接続詞が適切に使われているかチェックしましょう。
よくあるミス:
I like dogs because cats are cute.
修正例:
I like dogs but cats are also cute.
チェック方法:
- 接続詞(and, but, because など)の前後の内容に論理的なつながりがあるか確認する
- 特に because(理由)と but(対比)の使い分けに注意する
- 適切な接続詞を使うことで文と文の関係が明確になっているか確認する
4. 内容・構成のチェックポイント
文法だけでなく、内容や構成も重要なチェックポイントです。
課題に答えているか
英作文の課題(テーマ)に適切に答えているかチェックしましょう。
チェック方法:
- 設問をもう一度読み直す
- 特に「Why?」や「Do you agree?」など、問われている点に答えているか確認する
- 自分の立場(賛成・反対など)が明確に述べられているか確認する
構成は適切か
導入→本論→結論という基本構成になっているかチェックしましょう。
チェック方法:
- 最初の文で自分の立場や主張が述べられているか確認する
- 理由や具体例が論理的に展開されているか確認する
- 最後の文で全体をまとめる結論があるか確認する
具体例は適切か
意見や主張を支える具体例が適切に使われているかチェックしましょう。
チェック方法:
- 「For example」や「For instance」などの表現の後に具体例があるか確認する
- 具体例が主張と関連しているか確認する
- 個人的な経験や事実に基づいた具体例になっているか確認する
語数は適切か
英検準2級の英作文は50〜60語程度が目安です。語数をチェックしましょう。
チェック方法:
- 全ての単語を数える(冠詞や前置詞も1語としてカウント)
- 語数が少なすぎる場合は具体例を追加する
- 語数が多すぎる場合は重複している内容や不要な形容詞・副詞を削る
5. 自己添削のための具体的なワークシート
効率的に自己添削を行うためのワークシートの例を紹介します。以下のような表を作って使うと便利です。
自己添削ワークシート
チェック項目 | OK/NG | 修正内容 | 注意点 |
---|---|---|---|
課題に答えているか | |||
主語と動詞の一致 | |||
時制の一貫性 | |||
冠詞の使用 | |||
前置詞の選択 | |||
接続詞の使用 | |||
スペルミス | |||
語数制限(50〜60語) | |||
文と文のつながり | |||
具体例の適切さ |
このワークシートを使って、英作文を体系的にチェックしましょう。NG項目があれば、修正内容と今後の注意点を記入することで、同じミスを繰り返さないようになります。
6. 自己添削の実践例
実際の英作文を自己添削する方法を具体例で見ていきましょう。
例題
テーマ: Do you think it is important to learn English? Why? (英語を学ぶことは重要だと思いますか?なぜですか?)
最初の英作文例
I think learning English is very important. Because we can communicate with people from other countries. And when I travel foreign countries, I can talk with local people. Also, I can enjoy foreign movies without Japanese subtitles. English is used in many situation in the world, so I want to study hard.
自己添削のプロセス
ステップ1:時間を置く (数時間後または翌日に見直します)
ステップ2:音読する
- 読みにくい部分:「Because we can…」(文が途切れている感じがする)
- 不自然に感じる表現:「travel foreign countries」(前置詞が抜けている)
ステップ3:チェックリストで確認
- 課題に答えているか:OK(英語学習の重要性とその理由を述べている)
- 文法のミス:
- 「Because we can…」は接続詞で文が始まっている
- 「travel foreign countries」に前置詞 to が必要
- 「in many situation」は単数形になっているが、複数形が適切
- スペルミス:特になし
- 語数制限:59語(適切)
- 文と文のつながり:「And」「Also」と文頭に接続詞が多用されている
ステップ4:修正する
I think learning English is very important because we can communicate with people from other countries. When I travel to foreign countries, I can talk with local people. Also, I can enjoy foreign movies without Japanese subtitles. English is used in many situations in the world, so I want to study hard.
修正内容:
- 「Because」を含む文を前の文につなげた
- 「travel to foreign countries」と前置詞を追加
- 「in many situations」と複数形に修正
- 文頭の「And」を削除して文のつながりを自然にした
ステップ5:最終確認
語数:56語(適切) 文法:修正済み 内容:課題に適切に答えている 構成:導入(立場)→理由→具体例→結論の流れになっている
改善された英作文例
I think learning English is very important because we can communicate with people from other countries. When I travel to foreign countries, I can talk with local people. Also, I can enjoy foreign movies without Japanese subtitles. English is used in many situations in the world, so I want to study hard. (56語)
7. よくある英作文の問題点と改善方法
準2級の英作文でよく見られる問題点とその改善方法を紹介します。
1. 冗長な表現
同じ内容を繰り返したり、不必要な言葉を使ったりして文が長くなっている場合があります。
問題のある英作文:
I think that in my opinion English is a very very important language to learn for students.
改善例:
I think English is a very important language for students to learn.
改善方法:
- 「I think that in my opinion」のような重複表現を避ける
- 「very very」のような不必要な重複を避ける
- 文の構造をシンプルにする
2. 日本語の発想をそのまま英語にしている
日本語の表現をそのまま英語に訳すと、不自然な英語になることがあります。
問題のある英作文:
I with my family to Kyoto went and famous temple saw.
改善例:
I went to Kyoto with my family and saw a famous temple.
改善方法:
- 英語の語順(主語+動詞+目的語など)を意識する
- 「〜について」「〜にとって」などの日本語特有の表現は適切な英語表現に置き換える
- 英語らしい表現パターンを学んで使う
3. 具体例が曖昧
意見や主張は述べているが、それを裏付ける具体例が曖昧または不足している場合があります。
問題のある英作文:
I think sports are important. Sports are good for health. They make us strong.
改善例:
I think sports are important. Playing sports regularly improves our health. For example, since I started playing basketball three times a week, I have become stronger and rarely catch colds.
改善方法:
- 「For example」「For instance」などを使って具体例を導入する
- 自分の経験や観察に基づいた具体的な事例を挙げる
- 具体例と主張の関連性を明確にする
4. 接続詞の不適切な使用
文と文のつながりが不自然だったり、接続詞の使い方が間違っていたりする場合があります。
問題のある英作文:
I like summer. Because I can swim in the sea. And I can eat ice cream.
改善例:
I like summer because I can swim in the sea. Also, I can eat ice cream.
改善方法:
- 「Because」は文頭ではなく、主節に従属節をつなげる形で使う
- 「And」の代わりに「Also」「In addition」「Furthermore」など、様々な接続表現を使う
- 接続詞が表す論理関係(原因・結果、対比、追加など)が適切か確認する
8. 自己添削力を高めるための日々の練習方法
自己添削のスキルを向上させるための効果的な練習方法を紹介します。
1. 英作文ジャーナルをつける
定期的に英作文を書き、自己添削するジャーナルをつけましょう。
方法:
- ノートの左ページに英作文を書く
- 右ページに自己添削とコメントを書く
- 日付と英作文のテーマを記録しておく
- 定期的に過去の英作文を読み返し、進歩を確認する
2. 模範解答と比較する
自分の英作文と模範解答を比較することで、改善点を見つけられます。
方法:
- 英検の過去問や問題集の模範解答を参考にする
- 自分の英作文と模範解答の違いを分析する
- 特に表現や文構造の違いに注目する
- 模範解答のよい点を取り入れる
3. 英文を音読する習慣をつける
英語の自然なリズムや表現を体感するために、英文を音読する習慣をつけましょう。
方法:
- 教科書や英語の記事を毎日5分間音読する
- 文のまとまりごとに区切って読む
- 自分の英作文も必ず音読してみる
- 読みにくい部分は文法や表現に問題がある可能性が高い
4. 共通の添削シンボルを使う
添削する際は、一般的な添削シンボルを使うと効率的です。
よく使われる添削シンボル:
- 脱字:∧(単語を挿入する場所に)
- 不要な語句:取り消し線
- スペルミス:SP
- 語順の誤り:↔(入れ替える語句の間に)
- 時制の誤り:T
5. ペアワークで相互添削
友達と英作文を交換して添削し合うことで、新たな視点が得られます。
方法:
- 同じテーマで英作文を書く
- お互いの英作文を添削する
- 気づいた点や改善案を共有する
- 一緒に模範解答を分析する
9. 第9回のまとめ
今回は、英作文の自己添削の方法について解説しました。ポイントをまとめると:
- 自己添削の基本ステップ:
- 時間を置く
- 音読する
- チェックリストを使う
- 修正する
- 清書する
- 文法・語法のチェックポイント:
- 時制の一貫性
- 主語と動詞の一致
- 冠詞の使用
- 前置詞の選択
- 接続詞の使用
- 内容・構成のチェックポイント:
- 課題に答えているか
- 構成は適切か
- 具体例は適切か
- 語数は適切か
- 自己添削力を高める日々の練習方法:
- 英作文ジャーナルをつける
- 模範解答と比較する
- 英文を音読する習慣をつける
- 共通の添削シンボルを使う
- ペアワークで相互添削
自己添削の習慣をつけることで、徐々に自分の弱点に気づき、英作文力を向上させることができます。完璧を目指すのではなく、少しずつ改善していく姿勢が大切です。
次回は「合格レベルの解答例と最終アドバイス」として、準2級合格レベルの英作文の特徴や、本番で力を発揮するためのアドバイスを紹介します。いよいよシリーズの最終回ですので、これまでの学習を振り返りながら、試験本番に向けての準備を整えていきましょう!
日々の練習では、今回紹介した自己添削の方法を試してみてください。最初は時間がかかるかもしれませんが、繰り返し練習することで効率よく添削できるようになります。一緒に頑張りましょう!