こんにちは!英検2級対策シリーズ第9回へようこそ。本番で高得点を獲得するためには、自分の書いた英作文を効果的に見直し、修正する能力が不可欠です。今回は「添削のポイント」と「自己修正法」について詳しく解説します。試験本番での貴重な時間を有効に使い、より質の高い解答を作成しましょう!
1. 添削の重要性と基本ステップ
英作文の質を高めるためには、書き終えた後の「添削」が非常に重要です。添削には以下の基本ステップがあります:
添削の基本ステップ
- 全体の構成確認 – 導入、本論、結論の流れは論理的か
- 内容の確認 – 設問に適切に答えているか、具体例は十分か
- 文法・語法のチェック – 時制や品詞の使い方は正しいか
- 語彙の多様性 – 同じ表現の繰り返しはないか
- スペルチェック – 単語のスペルミスはないか
- 語数確認 – 制限語数内に収まっているか
時間配分の目安
25分の解答時間の場合:
- プランニング:5分
- 執筆:15分
- 添削・修正:5分
添削の5分間を有効に使うことで、得点アップが期待できます。
2. 自己添削のチェックポイント
構成面のチェック
構成は読み手に与える印象を大きく左右します。以下の点をチェックしましょう:
✅ 段落分けは適切か
- 一つの段落には一つの主題を入れる
- 段落間のつながりを確認する
✅ 接続詞は効果的に使用されているか
- 論理関係を明確にする接続詞(however, therefore, in addition など)
- 例を示す表現(for example, for instance, such as など)
良い例と改善例:
❌ I like English. It is useful. I study every day. ⭕ I like English because it is useful for my future. Therefore, I study it every day.
内容面のチェック
内容面では以下の点に注意しましょう:
✅ 設問に対して適切に答えているか
- 賛否を問われている場合は明確な立場を示す
- 複数の観点から論じるよう求められている場合は、それに対応する
✅ 具体例は説得力があるか
- 抽象的な主張ではなく、具体例を挙げる
- 個人的な経験や事実に基づいた例を入れる
良い例と改善例:
❌ Technology is very important for education. ⭕ Technology plays a crucial role in education. For instance, online learning platforms allow students to access educational materials anytime and anywhere.
文法・語法のチェック
文法ミスは減点対象となりますので、特に以下の点に注意しましょう:
✅ 時制の一貫性
- 過去の事例なら過去形、一般論なら現在形を使う
- 同じ文脈内での時制の混在を避ける
✅ 主語と動詞の一致
- 三人称単数現在形の-s/-esの付け忘れに注意
- 集合名詞(people, familyなど)の扱いに注意
✅ 冠詞の使用
- 特定のものを指す場合は定冠詞(the)
- 初めて言及する一般的なものには不定冠詞(a/an)
- 抽象概念や総称には無冠詞
良い例と改善例:
❌ Student uses smartphone for study. It have many advantage. ⭕ Students use smartphones for studying. They have many advantages.
3. 自己修正のための具体的テクニック
逆読み法(Back Reading)
文章を後ろから前に読むことで、文法やスペルミスを見つけやすくなります。通常の読み方では内容に集中してしまい、細かいミスを見落としがちです。
音読法
声に出して読むことで、不自然な表現や文の流れの悪さを発見できます。特に接続詞の使い方や文の長さのバランスをチェックするのに効果的です。
チェックリスト方式
以下のようなチェックリストを作成し、一項目ずつ確認していきます:
- 主語と動詞の一致をチェック
- 時制の一貫性をチェック
- 冠詞の使用をチェック
- スペルミスをチェック
- 接続詞の使用をチェック
- 語数をカウント
色分けマーキング
練習段階では、異なる文法要素を色分けしてマークすることで、バランスの取れた文章かどうかを視覚的に確認できます:
- 主語→赤
- 動詞→青
- 形容詞/副詞→緑
- 接続詞→黄色
共通エラーリスト作成
自分がよく犯すミスのリストを作成しておくと、効率的な添削が可能になります:
例:
- 三人称単数の-s忘れ
- 冠詞の過剰使用
- 日本語的表現の直訳
- カンマの位置ミス
4. 添削実践例
以下に添削の具体例を示します。修正前の英作文とその添削過程を見てみましょう。
テーマ:「インターネットは教育に役立つか」
修正前:
I think Internet is very good for education. Because student can study many thing. For example, youtube and online class. but some people think Internet is bad because student play game and watch video. I agree Internet is good tool.
添削プロセス:
- 構成確認:段落分けなし、導入・本論・結論の区別が不明確
- 内容確認:具体例が不十分、主張があいまい
- 文法チェック:
- “Internet” → “the Internet”(冠詞)
- “student” → “students”(複数形)
- “many thing” → “many things”(複数形)
- “Because…” → 文頭のBecauseは不適切
- “but” → 文頭の小文字
- 語彙の多様性:単調な表現
- 文の完全性:”For example, youtube and online class.”は不完全な文
修正後:
I believe the Internet is beneficial for education for several reasons. First, students can access a wide variety of learning materials online. For example, they can watch educational videos on YouTube or take online classes from prestigious universities. However, some people argue that the Internet can be distracting because students may spend too much time playing games or watching non-educational videos. While this concern is valid, I think proper guidance can help students use the Internet responsibly. In conclusion, the Internet is a valuable educational tool when used appropriately.
5. 本番試験での時間管理と添削戦略
試験本番での25分間を最大限に活用するための時間管理と添削戦略について説明します。
時間管理の秘訣
- 執筆前のプランニング(5分)
- テーマ分析と立場の決定
- 構成のアウトライン作成
- キーポイントと具体例のメモ
- 執筆(15分)
- アウトラインに沿って書き進める
- 段落ごとに区切りながら執筆
- 語数を意識しながら進める
- 添削(5分)
- 優先順位をつけて添削
- まず構成と内容を確認
- 次に文法・語彙をチェック
添削の優先順位
限られた時間内で効果的に添削するには、優先順位が重要です:
- 最優先:解答内容の適切さ
- 設問に正しく答えているか
- 主張と理由が明確か
- 次点:構成の論理性
- 段落構成は適切か
- 接続詞で文と段落が論理的につながっているか
- 続いて:重大な文法ミス
- 主語と動詞の一致
- 時制の一貫性
- 冠詞の使用
- 最後に:語彙と表現の多様性
- 同じ表現の繰り返しはないか
- より適切な語彙はないか
6. 自己添削トレーニング法
添削力を高めるためのトレーニング方法をいくつか紹介します:
1. ペアワーク添削
友人と英作文を交換して添削し合い、お互いの視点からフィードバックを得ることで、新たな気づきが生まれます。
2. 時間制限添削練習
実際の試験同様、5分間で添削する練習を繰り返すことで、効率的な添削力が身につきます。
3. 模範解答との比較分析
自分の英作文と模範解答を比較し、どのような点が異なるか分析します。特に以下の点に注目しましょう:
- 構成の違い
- 使用されている語彙・表現の違い
- 文法の正確さの違い
4. エラー分析ノート作成
自分が繰り返すミスをノートにまとめ、定期的に見直すことで、同じミスを防ぎます。
まとめ
英作文の添削と自己修正は、高得点を獲得するための重要なスキルです。本番の限られた時間内で効果的に添削するためには:
- 日頃から添削の習慣をつける
- 自分の弱点を把握し、チェックリストを作成する
- 構成・内容・文法の優先順位をつけて添削する
- 具体的な自己修正テクニックを習得する
これらのポイントを押さえて練習を重ねることで、本番での添削が効率的に行えるようになります。次回の第10回では、「最終チェック!模範解答と評価基準」について解説し、このシリーズのまとめを行います。