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【英検2級対策】第4回:文法ミスを防ぐ!よくある間違いと対策

はじめに

英検2級の英作文で高得点を取るためには、文法の正確さが必須条件です。第1回では要約問題の攻略法、第2回では意見文の書き方と構成、第3回では語彙力アップのための表現集を解説しました。今回は文法ミスを防ぐための対策にフォーカスします。

どれだけ内容が優れていても、基本的な文法ミスがあると大きく減点されてしまいます。特に英検2級では、高校レベルの文法事項が適切に使えることが評価のポイントになります。この記事では、英作文でよく見られる文法ミスと、その対策を具体的に解説します。

文法ミスが与える影響

英検2級の採点基準では、「語彙・文法の正確さ」が重要な評価項目となっています。文法ミスがあると、以下のようなデメリットが生じます:

  • 読み手に意図が正確に伝わらない
  • 全体的な説得力が低下する
  • 内容が良くても大幅な減点につながる
  • 文章の完成度が低く見える
  • 英語の基礎力不足と判断される

一方、文法的に正確な文章には、以下のようなメリットがあります:

  • 伝えたい内容が明確に伝わる
  • 文章全体の印象が良くなる
  • 採点者からの信頼性が高まる
  • 高得点につながる
  • 自信を持って書くことができる

よくある5つの文法ミスとその対策

ミス1:時制の不一致と混在

時制の使い分けは、英作文で最もよく見られるミスの一つです。特に、一つの文章の中で過去形と現在形が混在してしまうケースが多いです。

具体例

誤: The author discussed the importance of exercise and explains why it is beneficial.
正: The author discusses the importance of exercise and explains why it is beneficial.
または
正: The author discussed the importance of exercise and explained why it was beneficial.

対策

  1. 要約文では基本的に現在形を使う
  2. 意見文でも基本は現在形(一般論・事実・習慣)
  3. 過去の出来事や経験を述べる場合のみ過去形を使う
  4. 文章全体の時制を最初に決めておく
  5. 見直しの際に時制の一貫性をチェックする

ミス2:主語と動詞の不一致

主語と動詞の数の一致は基本ですが、うっかりミスが起こりやすい文法事項です。

具体例

誤: The number of students who uses smartphones are increasing.
正: The number of students who use smartphones is increasing.

対策

  1. 主語が複数形なら動詞も複数形、主語が単数形なら動詞も単数形を使う
  2. The number of… は単数扱い、A number of… は複数扱い
  3. Each, every, anyone, somebody などの後は単数動詞を使う
  4. People, children, men などの複数形には注意する
  5. 主語と動詞が離れている場合は特に注意する

ミス3:冠詞の誤用または欠落

冠詞(a, an, the)の使い方は、日本人学習者にとって特に難しい文法事項です。

具体例

誤: Internet has changed way we communicate.
正: The Internet has changed the way we communicate.

対策

  1. 初めて言及する可算名詞単数形には a/an を付ける
  2. 特定のものを指す場合は the を付ける
  3. 抽象概念や一般的な複数形には冠詞を付けない
  4. 固有名詞には通常冠詞を付けない(例外あり)
  5. 「〜の中で最も」という表現では最上級の前に the を付ける

ミス4:前置詞の誤用

英語の前置詞は使い方が多様で、日本語とは対応関係が複雑なため、誤用が生じやすいです。

具体例

誤: Students depend to their teachers for advice.
正: Students depend on their teachers for advice.

誤: I’m interested about environmental issues.
正: I’m interested in environmental issues.

対策

  1. 前置詞と動詞・形容詞の組み合わせを熟語として覚える
    • depend on(〜に頼る)
    • consist of(〜から成る)
    • participate in(〜に参加する)
    • be interested in(〜に興味がある)
    • be good at(〜が得意である)
  2. 時・場所を表す前置詞の基本的な使い方を確認する
    • in(広い範囲・期間): in Japan, in summer
    • on(接している面・特定の日): on the desk, on Monday
    • at(点・具体的な時間): at school, at 3 o’clock
  3. よく間違える前置詞の組み合わせをリスト化して暗記する
  4. 例文と一緒に覚える

ミス5:関係詞の誤用

関係代名詞(who, which, that など)や関係副詞(when, where, why など)の使い方も、ミスが起こりやすい文法事項です。

具体例

誤: This is the reason because I disagree.
正: This is the reason why I disagree.

誤: People which live in cities tend to be busy.
正: People who live in cities tend to be busy.

対策

  1. 関係代名詞の基本的な使い分けを確認する
    • who: 人に使う
    • which: モノに使う
    • that: 人にもモノにも使える
  2. 関係副詞の使い方を理解する
    • when: 時を表す名詞(time, day など)の後
    • where: 場所を表す名詞(place, city など)の後
    • why: 理由を表す名詞(reason など)の後
  3. 必要な場合と省略できる場合を区別する
    • 目的語を修飾する場合は省略可能
    • 主語を修飾する場合は省略不可

自己チェックリストで文法ミスを防ぐ

英作文を書いた後、以下のチェックリストを使って文法ミスがないか確認しましょう。

文法チェックリスト

  1. 時制は一貫していますか?
    • 全体を通して適切な時制を使っているか
    • 時制の混在がないか
  2. 主語と動詞は一致していますか?
    • 主語が単数なら動詞も単数形、主語が複数なら動詞も複数形
    • 主語が複合の場合の取り扱いは正しいか
  3. 冠詞は適切に使われていますか?
    • 可算名詞単数形には a/an または the
    • 特定のものを指す場合は the
    • 一般的な複数形や抽象名詞には冠詞なし
  4. 前置詞は正しく使われていますか?
    • 動詞・形容詞との組み合わせは正しいか
    • 時間・場所の前置詞は適切か
  5. 関係詞は適切に使われていますか?
    • 先行詞に合わせた関係詞を使っているか
    • 不必要な関係詞がないか
  6. 接続詞は効果的に使われていますか?
    • 適切な接続詞で文と文をつないでいるか
    • 重複する接続詞がないか
  7. 代名詞は明確に何を指しているか分かりますか?
    • 指示代名詞(this, that, these, those)が何を指すか明確か
    • 人称代名詞の性・数は適切か

文法ミスを防ぐための5つの実践法

実践1:高頻度で間違える文法項目をリストアップする

自分がよく間違える文法事項をリストアップし、特に注意して見直すようにしましょう。個人によって弱点は異なりますので、自分だけのチェックリストを作ることが重要です。

実践2:モデル英作文の文法構造を分析する

英検の過去問や参考書の模範解答を、文法的な観点から分析してみましょう。特に、複雑な文構造や、自分が苦手とする文法項目がどのように使われているかに注目します。

実践3:短い英文を正確に書く練習をする

いきなり長い英作文を書くのではなく、まずは短い英文を文法的に正確に書く練習をしましょう。1文ずつ丁寧に書いて、基本的な文法ミスを減らす習慣をつけることが大切です。

実践4:英作文の添削を受ける

できれば英語教師や英語が堪能な人に添削してもらいましょう。自分では気づかない文法ミスを指摘してもらうことで、弱点を把握することができます。オンラインの添削サービスを利用するのも良い方法です。

実践5:文法書を参照する習慣をつける

文法に自信がない場合や、迷った場合は、すぐに文法書や参考書で確認する習慣をつけましょう。推測で書くのではなく、確認してから書くことが文法ミスを減らす近道です。

文法ミスを修正した例文比較

例文比較1:時制の不一致

修正前: Currently, many students used smartphones in class. Teachers are worried about this trend because it affected students’ concentration.

修正後: Currently, many students use smartphones in class. Teachers are worried about this trend because it affects students’ concentration.

解説: 現在の状況を述べているため、全体を現在形で統一しました。

例文比較2:主語と動詞の不一致

修正前: The majority of teenagers spends too much time online. Social media have a strong influence on them.

修正後: The majority of teenagers spend too much time online. Social media has a strong influence on them.

解説: “The majority of teenagers” は複数の意味なので動詞は “spend”、”Social media” は単数扱いなので “has” が正しいです。

例文比較3:冠詞の誤用

修正前: Internet has changed society in many ways. It has given people opportunity to connect with others across world.

修正後: The Internet has changed society in many ways. It has given people the opportunity to connect with others across the world.

解説: “Internet” には定冠詞 “the” が必要で、”opportunity”(可算名詞で特定のもの)と “world”(特定の世界)にも “the” が必要です。

例文比較4:前置詞の誤用

修正前: I’m interested about environmental issues. We should all participate to recycling activities.

修正後: I’m interested in environmental issues. We should all participate in recycling activities.

解説: “interested in”、”participate in” が正しい前置詞の組み合わせです。

例文比較5:関係詞の誤用

修正前: This is the book what I read last month. The city which I was born is very beautiful.

修正後: This is the book that/which I read last month. The city where I was born is very beautiful.

解説: モノを指す関係代名詞は “that” または “which”、場所を表す “city” の後には関係副詞 “where” が適切です。

まとめ

英検2級の英作文で高得点を取るためには、文法ミスを減らすことが非常に重要です。特に以下の点に注意しましょう:

  1. 時制の一貫性を保つ
  2. 主語と動詞の一致に気をつける
  3. 冠詞を適切に使用する
  4. 前置詞の使い方を確認する
  5. 関係詞を正しく選択する

文法ミスを防ぐためには、自分の弱点を知り、計画的に対策することが大切です。チェックリストを活用し、基本的な文法ルールを確認しながら英作文を書く習慣をつけましょう。

また、完璧を目指すあまり英作文を書くことを避けるのではなく、積極的に書いて間違いから学ぶという姿勢も大切です。文法力は単に知識を蓄えるだけでなく、実際に使うことで上達します。

次回の第5回では、「時間配分と解答テクニック」について解説します。本番の試験で実力を最大限に発揮するための時間の使い方や、効率的な解答方法をお伝えします。